古市庵(こいちあん)の浪速寿司。


きれいで美味しくて大好き!

なにわ、と名前にあるように、大阪のお寿司。

大阪のお寿司はにぎり寿司じゃなくて押し寿司なんですよ。


大阪の寿司はもともとは押し鮨だというのを知ったのは10年前くらい。

母の実家は大阪でしたが、大阪でもお寿司さんのお寿司は江戸前がほとんどでした。

全国どこへ行っても、お寿司屋さんはだいたい江戸前寿司ではないですか?

それには理由がちゃんとあるそうで。


あるときお姑と話していたら、「戦後はお寿司屋さんにお米を持っていくとお寿司にしてくれた」と。

初めて聞いたのでとてもびっくりしました。


調べると、戦後、GHQの飲食営業緊急処置令で寿司屋が営業停止になったのだそう。

それで東京の寿司屋協会は『委託加工』という形で営業することを公式に認めさせたのだそう。

具体的には「お米1合を持っていくとにぎり寿司数巻と巻き物いくつか(数がうろ覚え汗)と交換してくれる」というものだったそう。

(手数料として引かれるのでお寿司は1合分より少ない。)

これが全国のお寿司屋さん広まって、いま日本中のお寿司屋さんが江戸前のお寿司を握ることに繋がったのだそうです。


大阪のお寿司でもう一つ有名なのが『蒸し寿司』。

これは小林カツ代のエッセイで読んで知りました。

冬限定メニューなんだとか。

こちらはまだ食べたことがないので、いつか食べてみたいなあ。あったかいお寿司ってどんなのだろう。おいしそうだなあ。


そして『委託加工』でもうひとつ、お姑さんが教えてくれたのが『賃餅(ちんもち)』。

これはもち米を1升持っていくとお餅に交換してくれるというもので、その際、手間賃として1合分を引かれるのでお餅は9合分で作られたものなんだそう。

お姑さんは浜松の人なので『賃餅』というのも土地によって呼び名が違うかも。


気軽においしいものが食べられる時代に生きられてありがたいです。