水瀬いのりライブツアー2022「glow」 FC1次抽選結果・いのりまち分析レポート | 今日も明日もーいのりまち研究所ー

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具入り味噌汁のブログです。水瀬いのりさんについて、書いていきたいと思います。
Nobody would be alone and nothing could be created if even one might be lost. Here tonight, we make a "myth" handed down to the future. Our countless lights grow into one...

Inori Minase LIVE TOUR 2022 glow FC1次抽選結果・いのりまち分析レポート

 

Abstract

 本記事では、いのりまちの会員属性と、水瀬いのりさんのライブツアー2022 glow のFC1次受付の申込・当落状況を分析しました。

 結果概要としては、

・1次受付では、当選公演数は多くても基本2公演

・1次受付では、基本的に兵庫公演と神奈川公演のダブル当選は起こらない

・単番・連番間で当選率に大きな違いはない

・昨年のツアーの当落と比べて、第1希望の当選が優先的

・過去にチケット未入金の場合、落選率が大きくなる

 今回も内容が盛りだくさんです!お忙しい方は、赤文字の部分さえ読めば記事の概要がつかめます。画像が小さくて見えづらい場合は、クリックして拡大して見てください。

 

Contents

1. Introduction

2. Methods

 

3. Results and discussion

3-1. 回答者の属性分布
3-1-1. いのりまち町民の年齢分布と会員番号の推定
3-1-2. いのりまち町民の人口分布の推定
 
3-2. 1次先行の申込状況
3-2-1. 1次受付の申込順位と単連番の内訳
3-2-2. 申込公演数と席数、単連番の関係
3-2-3. 単連番申込と属性の関係
3-2-4. 申込公演と属性の関係
3-2-5. 居住地域と申込公演の関係
 
3-3. 1次先行の当落状況(概要)
3-3-1. 当選公演数・当選席数
3-3-2. 申込公演数・席数と当選公演数・席数の関係
3-3-3. 公演別の当選率(倍率)
 
3-4. ケーススタディ~申込方法と当選への戦略~
3-4-1. 神奈川公演が第1希望の場合
3-4-2. 神奈川公演→地方1公演申し込みの場合
3-4-3. 兵庫公演が第1希望の場合
3-4-4. 兵庫公演→地方1公演申し込みの場合
3-4-5. 愛知公演が第1希望の場合
3-4-6. 各公演の申込順位を総当たりした場合
3-4-7. "福岡公演回し"
3-4-8. 居住地による当選率の差はあるのか?
3-4-9. 過去未入金による"干されまち"
 
4. Conclusion
5. Remarks
6. おまけ
 

1. Introduction

 いつもお世話になっております。具入り味噌汁 (@inorimaaya)です。

 昨年2021年の7月と9月に水瀬いのりさんのライブツアー「HELLO HORIZON」の当落状況のレポート、12月にいのりまち町民集会2021-おかわり-の会員属性・申込・当落・座席調査の記事を書いたところ、非常に多くの方に反響をいただきました。多い日では、1日に2,200アクセスを超えることもありました。

 

 

↓HELLO HORIZON のFC1次2次抽選結果

 

↓いのりまち町民集会2021-おかわり-の抽選・座席ガチャの結果

 

 

 ツアーとFCイベントの抽選システムの両方を調べつくしたのだから、もうお腹いっぱい!もう統計調査はやらない!と思っていたのですが、、、なんと!今年のツアー「glow」では連番での申込が復活したではありませんか!!しかもツイッターのTLを見た感じ、当選の仕方が昨年と違い、希望順位の当選優先度が上がっていそうな予感??チケットの倍率は??

 はぁ、当落のアルゴリズムがどう変わったのか調べずにはいられない...

 というわけで、今回も調べつくします。一応"理系"なのでね。

 昨年のツアーの当落調査記事と比較しながら読んでいただければ、今年の違いが見えて面白いと思います。

 

2. Methods

 ↓難しいところはあまり気にせず、赤字部分をサクサク読んでいきましょう!!

 今回の調査は、前回の当落状況調査と同様、Googleフォーム上で匿名で行い、私のTwitterでアンケートの回答依頼を出しました。2022年7月1日から7月3日の約69時間をかけて回答を募集し、814件の回答を頂きました。ご協力いただき、本当にありがとうございました。回答者のうち、いのりまち町民ではない人、および回答に齟齬がある形式的な不備回答を除去し787件を有効回答としました。全5公演とも連番で当選した、という実質的にありえない(ほぼいやがらせな)回答もありましたが、今回に限っては1,2件と数が少なかったため、除去はしませんでした。

 Twitter上での調査は理想的な無作為抽出ではなく、基本的に回答者層に偏りがありますので、結果のお取り扱いにはご注意ください。

 必要に応じて95%信頼区間(95% CI)標準誤差(SE)を付し、95% CIはt分布から算出しました。クロス集計の検定はFisher's exact testにより行いました。また有効サンプルの全体集合、部分集合いずれも集合の要素数は小文字の"n"で表しています。

 なお本文では、いのりまち会員先行優先予約1次受付を「1次先行」と表記しています。

 

3. Results and discussion

3-1. 回答者の属性分布

3-1-1. いのりまち町民の年齢分布と会員番号の推定

 過去記事と同様、はじめに、年齢を回答いただいたいのりまち町民601人の年齢分布を図1に示します。有効回答者の平均年齢は23.3歳、中央値は21歳、最頻値は20歳でした。1年前の調査では最頻値が19歳であり、最も層が多い2002年生まれの代が、そのまま1年を迎えたことになります。一方平均年齢は1年前と比べて約0.5歳下がっており、平均値未満の町民が増えたか、その層の回答者が多かった可能性が考えられます。

 また町民の回答者の約75%は水瀬いのりさんの年齢以下であるものの、幅広い年齢層の町民に支持されていることが分かります。

図1. 有効回答者の年齢のヒストグラムと累積パーセントおよび箱ひげ図

 

 次に、回答者層のバラツキを判断する指標の一つとして、有効回答者におけるいのりまち会員番号(番地)の割合を図2(a)に示します。例えば図中の「~4000」は、2001番地から4000番地までの回答者を示しています。

 私的な調査により、2022年の6月中旬時点で25400番地台を確認しています。一部26001番地以降と回答した方がいらっしゃいますが、昨年のツアー「HELLO HORIZON」のFC申込前後で500人/月ペースの入会であったことから、回答の募集をした2022年7月上旬時点では多くとも26000番地までと推定しています。

 また18001番地以降の回答者層が非常に多い傾向にあります。これは前回の町民集会の分析レポートにも記載したように、回答者の偏りか、古参~中堅町民がリタイアしてしまったか、の2択であると考えられます。

 参考までに、回答者における会員番号(番地)と町民の年齢の対応関係を図2(b)に示します。詳細な考察は、前回の町民集会2021のレポートを閲覧ください。

 

図2. 有効回答者の(a)会員番号分布と (b)会員番号と年齢の対応関係

 

3-1-2. いのりまち町民の人口分布の推定

 図3に、有効回答者における八地方人口当たり回答者群の相対値の塗り分け図を示します。マップの色が濃い地方ほど、ある地方の単位人口と比べて回答者の割合が相対的に大きいことを示しています。

 過去の調査と同様、関東地方の人口に占めるいのりまち町民の割合が、他地方と比べて相対的に大きい傾向にあると推測されます。そして近畿地方、中部地方と続きます。一方、相対値の最小と最大の幅は、前回の町民集会の調査と比べて1.5ポイント減少しました。

 

図3. 有効回答者における、八地方人口当たり回答者割合の塗り分け図

 

 

3-2. 1次先行の申込状況

3-2-1. 1次受付の申込順位と単連番の内訳

 図4(a)に、1次先行に申し込みをした有効回答者(769人)における、各公演の申込順位の割合を示します。このドーナツグラフでは、単番・連番申込に関わらず、1公演申込ごとに1件(1人分)と扱っています。また、昨年のHHライブの調査結果のドーナツグラフとは、公演場所と配色の対応が異なるため、ご注意ください。

 第1希望は神奈川公演が6割強であり、兵庫が2割弱、次いで愛知、宮城、福岡の順であり、第1希望については昨年のツアーと同様な傾向が見られました。

 第2希望は愛知、神奈川、宮城、兵庫、福岡の順に多く、第1希望のみの割合が4割強でした。

 驚くべきことに、第1希望または第2希望までしか申し込まなかった方が8割弱であり、昨年のツアーの時の6割と比べて大幅に増加していることが分かります。

 昨年のHHツアー分析記事では

・3公演以上希望した場合、神奈川または大阪で第1希望は叶いづらく、地方に回される可能性が高い

と書きましたが、昨年、皆さんも経験したであろういわゆる"地方回し"を嫌って、今年は第2希望以内に収めた方が多かったのかもしれません

 

 次に図4(b)に申込各順位における単連番の内訳を示します。ほとんどの順位および公演において単番の割合が僅かに多いことが分かります(図6のセクションで後述)。

 

図4. 1次先行申込者の(a)申込順位と (b)単連番の内訳

 

3-2-2. 申込公演数と席数、単連番の関係

 続けて、1次先行の申込公演数と申込席数の割合を図5に示します。申込公演数に着目すると、1公演申込が44%、2公演申込が35%であり、3公演以上を申し込んだ方は申込者全体の20.3%でした。

 申込席数とは、全5公演を単番もしくは連番で申し込んだ合計の席数であり、例えば図中の「2席」には、連番で1公演のみ申し込んだ回答者と、2公演を単番でのみ申し込んだ回答者の両方が含まれます。1席(=1公演単番のみ)申し込みが約1/4を占め、2席申し込みと合わせて全体の6割に上りました。全5公演を全て連番で申し込んだ10席申込の方は、2.1%しかいませんでした。

 

 

図5. 1次先行申込者の(a)申込公演数と (b)申込席数

 

 図6に1次先行申込の1公演・1人当たりの申込枚数(=重みづけ)を示します。例えば、ある人が「神奈川公演を連番(2席分)、愛知公演を単番(1席分)」で申し込んだ場合、3席/2公演=「1.5枚(席)」とカウントします。

 全て単番申込の人が48%、全て連番申込は39%であり、残りの13%は単番と連番申込を組み合わせて申し込んでいました。

図6. 1次先行申込の1公演・1人当たりの申込枚数

 

3-2-3. 単連番申込と属性の関係

 図7は、1次先行申込の1公演・1人当たりの申込枚数(=重みづけ)を(a)年齢区分および(b)会員番号区分で整理した図です。

 年齢区分ごとにみると、年齢が上がるにつれて青線で示した重みづけの枚数が1.48枚から1.34枚へと減少していることが分かります。この結果より、年齢が低いほど連番で申し込み、年齢が高いほど単番で申し込む傾向にあることが分かります。

 次に会員番号ごとに見ると、24001番地以降を除いて、会員番号が小さいほど連番で申し込む傾向にあることが分かります。

 2つの結果をもとに考えると、学生のような若い町民で、水瀬いのりさんのライブに一緒に参加するコミュニティがある層は、比較的連番で申し込むということでしょう。一方で、年齢が上がるにつれ一人で楽しむ方が多いということになります。

図7. 1次先行申込の1公演・1人当たりの申込枚数の(a)年齢区分および (b)会員番号区分による分類

 

3-2-4. 申込公演と属性の関係

 図8に、申込公演数と地方区分・会員番号区分・年齢区分の関係を示します。

 はじめに地方区分で着目すると、ライブ会場までの交通手段が不便な北海道や九州は、1公演申し込みの割合が50%以上と高いことが分かります。また、東西どちらへもアクセスの便がよい中部地方は、2公演申し込みが最多であることが読み取れます。

 

 次に会員番号区分に着目します。昨年のツアーでは、1-4000番台までのいわゆる"古参"の7割以上が3公演以上を申し込んでいましたが、今年のツアーでは3公演以上の申し込みは3割弱にとどまりました。これは、昨年のツアーで3公演以上申し込んで、当選を地方公演に回されてしまった反省を生かしたものと個人的に解釈しています。

 しかしながら、会員番号が大きい新規の町民ほど申込公演数が少ない傾向自体は、昨年のツアーの場合と変わりはありませんでした。

 

 続けて年齢区分に着目します。年齢が上がるにつれて申込公演数が大きい傾向は昨年と変わりませんでした。しかしながら、年齢が大きい層は、昨年と比べて申込公演数を減らしており、会員番号区分で述べた傾向と同様の原因であると考えられます。

 

図8. 1次先行申込公演数と属性の関係 (a)地方区分 (b)会員番号区分 (c)年齢区分

 

3-2-5. 居住地域と申込公演の関係

 図9に、1次先行申込者の居住地域と申込件数・申込席数の関係(Sankey diagram)を示します。(a)申込件数(有効回答者の申込公演数の合計)別に着目すると、延べ申込公演の48.0%は関東居住者で占められており、関東住み→神奈川公演の組み合わせが24.0%と最多でした。

 昨年のツアーと同様、申し込みの組み合わせには地域偏在性が見られます。

 神奈川公演申込者のうち、最多は関東在住で58.8% (24.0/40.8*100=58.8)でしたが、兵庫公演申込者のうち、最多は近畿在住で41.9%でした。

 この結果より、居住地に近い公演を優先的に選択する町民が多いことが分かりました。

 (b)申込席数のデータも参考として掲載しましたが、申込件数の結果と比較して顕著な違いは見られませんでした。

 

図9. 居住地域と1次先行申込公演の関係 (a)延べ申込件数ごと (b)延べ申込席数ごと

 

 

3-3. 1次先行の当落状況(概要)

3-3-1. 当選公演数・当選席数

 ここからはお待ちかねの当落結果についてです。

 図10に1次先行の1名義当たり当選公演数と当選席数を示します。当選公演数に着目すると、1公演当選が69.3%、2公演当選が25.9%であり、この合計が95.2%と圧倒的でした。3公演当選も稀にありましたが、地方公演当選や不審な回答で占められており、実質的には多くても2公演当選でした。一方で2公演当選している人もいる中で、残念ながら当選無しの方が4.3%いらっしゃいました。

 1公演当選で最も多いのは神奈川公演で全体の38.1%であり、次いで兵庫、愛知、宮城、福岡公演でした。

 2公演当選の組み合わせで最も多いのは神奈川+宮城公演の7.8%であり、次いで神奈川+愛知、神奈川+福岡、兵庫+福岡公演などでした。

 

 また、少なくとも兵庫公演と神奈川公演を申し込んだ回答者(181人)のうち、その両方が当選した回答者は1.7%(3人)であり、そのうち1人は除外はしなかったものの明らかに不自然な回答でした。この結果から、兵庫公演と神奈川公演のダブル当選は実質的には存在しないと言えます。

 

 次に当選席数に着目します。1席当選が36.8%、2席当選が44.3%でした。また3席当選が5.6%、4席当選が8.7%であり、実質的には多くとも4席分までしか当選しないことが明らかになりました。

 

図10. 1次先行の1名義当たり当選公演数と当選席数

 

 

3-3-2. 申込公演数・席数と当選公演数・席数の関係

 図11に1次先行の(a)申込公演数と当選公演数 (b)申込公演数と当選席数 (c)申込席数と当選席数の関係を示します。

 (a)申込公演数と当選公演数の関係に着目します。1公演のみの申込で無当選は5.5%でしたが、残りの93.5%の方は無事に当選していました。2公演・3公演申込では1公演当選が5割強、2公演当選が約4割で、4公演以上申し込むと2公演当選の割合が増加しました。

 

 (b)申込公演数と当選席数の関係に着目します。2公演申し込み4席当てた回答者(=2公演とも連番当選)は13.2%いることが分かります。その回答者36人のうち、最も多い組み合わせが「神奈川+地方1公演」(86%)でした。

 また、申込公演数が多くなるにつれて、当選席数が多くなることが分かります。しかしながら申込公演数を増やしても、当選は4席で頭打ちとなっていることも分かります。

 

 (c)申込席数と当選席数の関係も(a)や(b)で述べたことと同様です。

図11. 1次先行の(a)申込公演数と当選公演数 (b)申込公演数と当選席数 (c)申込席数と当選席数の関係

 

 

3-3-3. 公演別の当選率(倍率)

 図12に、1次先行で何かしらの公演を申し込んだ回答者における、公演別申込率と当選率を示します。今回のレポートの中でメインの図になります。なぜなら、各公演のホールのキャパシティ(座席数)と申込率・当選率は大きな関係があるからです。

 はじめに公演ごとの申込率に着目すると、最も高い公演が神奈川公演で78.0%、最も低い公演が福岡公演で17.8%でした。ツアー初日の兵庫公演は34.6%、愛知公演は35.4%、宮城公演が24.8%でした。昨年のツアーの申込率は神奈川公演が78.2%であり、今年の申込率と非常に近い結果となりました。しかし、神奈川公演以外の地方公演は、昨年のツアーと比べて各15ポイント程度申込率が低い結果となりました。

 

 次に公演ごとの当選率に着目すると、最も高い公演が福岡公演で95.6%、最も低い公演が兵庫公演で42.5%であり、千秋楽の神奈川公演は73.2%でした。愛知公演は49.6%、宮城公演は67.0%の当選率でした。

 いずれの公演も連番よりも単番の申込率が大きく、当選率は連番の方が大きくなってはいますが、当選率に関して、単番と連番の間で(愛知公演を除いて)統計上有意な差があるとは認められませんでした。

 

図12. 1次先行申込者の公演別申込率と当選率の関係

 

3-4. ケーススタディ~申込方法と当選への戦略~

3-4-1. 神奈川公演が第1希望の場合

 ここからは当落状況の詳細分析と申込戦略ということで、事例研究をしていきましょう。申込者の中で1番多いパターンが「神奈川公演が第1希望」でしょう。実際、1次先行申込者のうち、神奈川公演を第1希望にした人は62.3%もいます。

 

 図13に神奈川公演を第1希望としたときの、申込公演数に対する神奈川公演の申込率と当選率の関係を示します。神奈川公演を単番・単願で申し込んだ人は1次先行申込者全体の14.7%であり、当選率は27.8%でした。連番・単願で申し込んだ人は全体の13.1%であり、その当選率は98.0%でした。合わせて神奈川公演のみの申込では当選率が96.3%でした。

 第2希望まで申し込んだ場合神奈川公演の当選率は91.2%であり、さらに多くの公演を申し込むと、神奈川公演を第1希望としていても神奈川公演の当選率は緩やかに落ちていきます

 この傾向は昨年のツアーの当落でも見られましたが、当選率の落ち込み具合は昨年と比べてかなり改善されました。今年は横アリのキャパシティ制限もなく収容率を100%と見込めるのが功を奏したのか、はたまた抽選のアルゴリズムを変えたのか。第1希望を昨年よりも重視してくれる傾向にあるようです。

 

図13. 1次先行において神奈川公演を第1希望としたときの、申込公演数に対する神奈川公演の申込率・当選率の関係

 

3-4-2. 神奈川公演→地方1公演申し込みの場合

 さて、昨年のツアーの分析記事では

神奈川公演を確保しつつ当選数を最大化するには、1次先行で「神奈川公演+地方1公演」、2次先行で大阪公演を確保し、残りの地方公演を一般販売で握るのがベストであると考えられます。

と書きました。

 なんと今年のglowのツアーではFC2次先行は神奈川公演のみの受付ではありませんか!!!

 昨年の記事を読み、今年もFC2次先行で兵庫公演が募集されるだろうと思った皆さん。もしいたらごめんなさい。ただ私は、将来にわたって必ず2次先行があるとも、ましてや関西地区の公演の2次先行が必ずあるとも一言も言っていないです。

 あくまで過去の分析です。

 

 いずれにせよ「第1希望:神奈川→第2希望:地方1公演」の申込による当落は私が責任をもって検証する必要があります。

 3-2-2で述べた通り、神奈川と兵庫のダブル当選は実質的に起こりません「地方公演」とは、「愛知公演、宮城公演、福岡公演」のいずれかを指すこととします。

 図14に、1次先行において神奈川公演を第1希望、地方公演を第2希望止まりにした際の単番・連番別当選率を示します。神奈川・地方1公演ともに単番申込の場合、神奈川落選が6.5%、地方公演落選が25.8%であり、2公演当選は67.8%でした。また、神奈川・地方1公演を2公演とも連番申込の場合、2公演当選は71.8%でした。

 単番→連番または連番→単番の当選率は各自グラフをご参照ください。

 この落選率を許容できる場合は、神奈川+地方1公演を「連番」で取ることがベターだと思います。2公演とも落ちることはレアですし、万が一片方の公演が落ちても他のお友達と相互連番を組むことでカバーできる可能性が高いです。

 

 

図14. 1次先行において神奈川を第1希望、地方公演を第2希望止まりにした際の単番・連番別当選率

 

 

3-4-3. 兵庫公演が第1希望の場合

 1次先行申込者の中で次に多いのが、「兵庫公演を第1希望」とした場合でありその割合は1次先行申込者の18.3%です。

 

 図15に兵庫公演を第1希望としたときの、申込公演数に対する兵庫公演の申込率と当選率の関係を示します。兵庫公演を単番・単願で申し込んだ人は1次先行申込者全体の3.1%であり、当選率は75.0%でした。連番・単願で申し込んだ人は全体の3.4%であり、その当選率は69.2%でした。合わせて兵庫公演のみの申込では当選率が72.0%でした。

 第2希望まで申し込んだ場合神奈川公演の当選率は80.4%であり、さらに兵庫公演を第1希望としていれば、複数公演を希望しても兵庫公演の当選率はあまり落ちないことが分かりました。

 この傾向は昨年のツアーと相反し、兵庫公演が第1希望の場合の当選率は全体的に均一化されたと言えます。

 今年のツアーでは兵庫公演の2次受付が無かったことから、1次受付で兵庫公演のチケットを運営側がおおむね捌いたのだと考えられます。

 

図15. 1次先行において兵庫公演を第1希望としたときの、申込公演数に対する兵庫公演の申込率・当選率の関係

 

3-4-4. 兵庫公演→地方1公演申し込みの場合

 図16に、1次先行において兵庫公演を第1希望、地方公演を第2希望止まりにした際の単番・連番別当選率を示します。兵庫・地方1公演ともに単番申込の場合、2公演当選は33.3%でした。また、兵庫・地方1公演を2公演とも連番申込の場合、2公演当選は50.0%でした。

 単番→連番または連番→単番の当選率は各自グラフをご参照ください。

 神奈川公演が第1希望の時とは異なり、地方公演の落選率が全体的に目立ちます。

 この落選率を許容できる場合は、兵庫+地方1公演を「連番」で取るのはアリでしょう。兵庫公演の当選率が他公演よりも低いため、お友達と連番を組む際は重宝されると考えられます。

 

 

図16. 1次先行において兵庫公演を第1希望、地方公演を第2希望止まりにした際の単番・連番別当選率

 

3-4-5. 愛知公演が第1希望の場合

 神奈川、兵庫についで第1希望に置かれることが愛知公演であり、その割合は8.7%です。

 図17に愛知公演を第1希望としたときの、申込公演数に対する愛知公演の申込率と当選率の関係を示します。愛知公演を単番・単願で申し込んだ人は1次先行申込者全体の2.0%であり、連番・単願で申し込んだ人は全体の2.0%でした。愛知公演を第1希望とした場合は、他公演の申込順位によらず愛知公演の当選率は実質100%でした。愛知公演が第1希望の方、おめでとうございました。

 

図17. 1次先行において愛知公演を第1希望としたときの、申込公演数に対する愛知公演の申込率・当選率の関係

 

3-4-6. 各公演の申込順位を総当たりした場合

 宮城公演や福岡公演を第1希望とした場合は、申込公演数によって当選率はどうなるのか。また、各公演を第2希望や第3希望にしたときの、その公演の当選率はどうなのか。

 図18に申込公演の希望順位および申込公演数と、各公演の当選率の関係を示します。

 はじめに(a)兵庫公演申込に着目します。兵庫公演を第1希望とした際の兵庫公演の当選率は3-4-3で述べた通りです。兵庫公演を第2希望すると、申し込みが第2希望止まりでも兵庫公演の当選率はたった2.6%しかなく、兵庫公演を第2希望以降すると、兵庫公演はほとんど当たらないことが分かりました。(d)神奈川公演申込においても、同様のことが言えます。

 一方、(b)愛知公演を第2希望とした場合、申込公演数によらず愛知公演の当選率は4割程度もあり、第3希望としても10%程度の当選率でした。(c)宮城公演申込においても、第2希望とした場合、申込公演数によらず6割から9割程度の当選率であり、(d)福岡公演申込にいたっては、福岡公演を第5希望としても8割以上の当選率であることが分かりました。

 3-3-1にて1名義当たりの当選公演数は多くても実質2公演までと述べました。当選したい2公演のために、どの組み合わせ・順位で公演を申し込んだかが、今回の抽選の鍵であったと言えるでしょう。

 

図18. 申込公演の希望順位および申込公演数と、各公演の当選率の関係 (a)兵庫公演 (b)愛知公演 (c)宮城公演 (d)福岡公演 (e)神奈川公演 図中のエラーバーは標準誤差

 

3-4-7. "福岡公演回し"

 福岡公演を含む4公演を申し込んで2公演当選した回答者(10人)のうち、当選した片方が福岡公演である回答者は90%でした。また5公演全てを申し込んで2公演当選した回答者(44人)のうち、そのうち片方が福岡公演であった人は90.9%でした。この結果から、福岡公演を希望に加えると、(希望順位が低いにも関わらず)福岡公演が当たりやすくなることが分かりました(いわゆる"福岡公演回し")。距離や金銭的な問題で、福岡公演よりも他の地方公演を優先的に当てたい場合は、福岡公演を希望から外した方が賢明だったのかもしれません(ディスっているわけではない)。(私は福岡公演も行きますよ。福岡旅行楽しみです。今年もツアー全通ですので...)

 

3-4-8. 居住地による当選率の差はあるのか?

 昨年のツアーの分析記事には

神奈川公演や大阪公演における、居住地による当選率の差は、確かに存在する可能性が非常に高い

と書きました。

 この原因については

「いのりまち運営側が、居住地によって各公演の当選率に『意図的に』差をつけている」とは、一概には言えません

申込公演の申込者地域偏在性や、申込者が第1希望に選ぶ公演は距離的に最も近い公演

関東地方の居住者は相対的に公演の申込数が多いため、神奈川公演の当選率が下がっている

などと理由をぼやかしてしまったため、今年は昨年の結果を振り返りつつ、もう少しだけ厳密に記そうと思います。

 

 表1は、神奈川公演と大阪・兵庫公演における居住地域による当選率を、2021年と2022年で比較して示したものです。

 昨年は、大阪公演を第1希望とした場合、近畿住みの当選率が有意に大きかったのですが、今年は兵庫公演を第1希望とした場合でも、居住地によって当選率に有意な差があるとはいえませんでした。

 

 (※昨年のFC1次2次抽選結果のレポートの表2でp値が著しく小さかったのは、申し込み順位によらない全体の申込件数どうしで比較していたことに加えて、神奈川公演と大阪公演のダブル当選は存在しなかったこと、かつ居住地に近い公演を優先的に申し込んでいたためと(後付けで)結論付けます。)

 

表1. 神奈川公演と大阪・兵庫公演における居住地域による当選率の比較(2021年vs2022年)

 

3-4-9. 過去未入金による"干されまち"

 昨年の町民集会の当落分析記事では、

いのりまちチケットの過去の未入金は、チケットの当落や座席運の面で全員が悪影響を受けるとは言えないが、悪影響を受けて"干されまち"になる疑いが強い

と記しました。

 今回のツアーでも"いのりまちの呪い"・"いのりまちのブラックリスト"によるチケットの"干されまち"があるのか確認しましょう。

 図19にいのりまちチケットの(a)入金忘れが過去に無かった回答者と (b)入金忘れが過去にあった回答者 における、1次先行当選数の違いを示します。

 入金忘れがなかった場合全部落選が3.7%でしたが、チケット代金が未決済だった場合、全部落選が27.8%もありました。これは統計的に有意な差(p<0.01)であり、過去未入金により落選率が大きくなることが明らかとなりました。

 一方で、入金忘れがないのに1公演も当たらない方が3.7%もいらっしゃるのは、ほんとどうしてなのか...

 

 

図19. いのりまちチケットの過去入金有無による、1次先行当選公演数

 

 続けて図20にいのりまちの年会費を、猶予期間前および猶予期間に入金した回答者どうしでの、1次先行当選公演数の比較を示します。当選公演数に有意な違いは見られなかったことから、本来の年会費更新期限を過ぎて1か月間の猶予期間中に入金したとしても、当選公演数の面でおとがめはないということが分かりました。とはいっても、期限内に更新しましょうね。

 

図20. いのりまち会員の猶予期間前と猶予期間中の年会費入金による、1次先行当選公演数

 

 今回のアンケートでは、

会場での本人確認や会場内での行為によって【不正行為・迷惑行為】と認定され、【あなたの会員番号】がいのりまちの運営に伝わる状況になったことはありますか?

という設問も設けましたが、該当者が0.26%であり意味のある分析ができなかったため、割愛させていただきます。

 

4. Conclusion

 チケットの当選公演数・席数は基本的に平均化されているようです。記事の概要はこのページの1番上のAbstractを読んでください。チケット当選時の未入金には気をつけましょう。

 単番・連番で当選率に大きな違いが見受けられなかったことから、複数公演に参加したい場合は、連番で申し込んだ方が他の町民と連番を組みやすく、結果として都合がいいのかなと個人的に思いました。申し込み方は皆さん次第です。

 

5. Remarks

 今回も統計調査へ回答してくださった方、そしてこの記事を読んでくださった方、本当にありがとうございます。この記事を書いて読んでもらっても、1円たりとも私の収入にはなりません。

 完全に趣味の世界でもはや狂っているのかもしれません。結局、今回の調査も30時間程度掛かってしまいました。

 この記事を読まれた皆さん!ライブ会場で具入り味噌汁に会ったら、お菓子を恵んでくださいね(˘ω˘)👊

 

 いのりまちには、絵が上手な人、声が綺麗な人、お気持ち表明が好きな人、フリコピする人、特定の演出や機材に興味がある人、ラジオのお便り職人、水瀬いのりさんに認知されている人、なんかいつも燃えている(燃やしている)人...などたくさんいます。その中に、分析したがる人がいてもいいじゃないですか。えっ、みそさんは気持ち悪いって...?

 

 ちなみに、Yahoo!知恵袋や5ch、Twitterで水瀬いのりライブの倍率を質問しているみなさん。将来の当落のことは分からないけれど、私が分析した過去の当落結果は参考になりますよ??

 

 冗談はさておき、 最後まで読んでくださった方はどれくらいいらっしゃるのでしょうか。

 ぜひ、いいねやリツイート、コメントで応援していただけたら幸いです。

 

 Q.みそさん、ツアーの座席運の調査は?
 A.やりません。

6. おまけ

 コメント欄に対して、返信させていただきます。160人の方からコメントを頂きありがとうございます( ˘ω˘ )
 
と思ったのですが、本記事の文字数上限に引っかかってしまいました。
 
 
 以下のページで改めてコメント紹介&返信させていただきます。
ライブ楽しみましょうね!
会場でお会いしましょう!
 

具入り味噌汁 (@inorimaaya)