貸元

 

三代目 4回目

 

「源三を一家に加えていただけませんか」

「私が源三の手で岡場所に売られたことを忘れたのか」

「あれも貸元を与平から守るためでした。それに源三も死ぬような目にあったのですから」

「源三が一家に入りたいと言っているのか」

「いいえ」

「源三のことは捨て置け。命が助かっただけでもありがたく思うべきだ」

栄は三郎を叱ってさがらせた。

その晩、栄は寝つけなかった。

酒を飲んだ。

栄はうとうととした。

栄の目の前にたくさんの旦那衆がいる。

みんなが栄を見ている。

栄の体は縛られ身動きが取れない。

源三の顔が近づき栄の唇を吸った。

胸を揉まれた。

源三は旦那衆によく見えるように栄の体を正面に向けた。

旦那衆の前で源三は栄を責めた。

栄は痴態を見せ気をやった。

旦那衆の溜息が聞こえた。

 

次回は明日書きます。