ひこうき雲

 

新体制  4回目

 

朝倉の長所はどんなにつまらない練習でも一生懸命にやるところだった。

坂の上で朝倉は腰に手をおいて呼吸を整えた。

朝倉が空を見上げると、白い雲が二本まっすぐに伸びている。

ひこうき雲だった。

青い空に描かれたひこうき雲は美しかった。

堀田 「どうした朝倉?」

朝倉 「あれ」

朝倉は目でひこうき雲を示した。

堀田 「ひこうき雲か」

堀田も朝倉といっしょにひこうき雲を眺めた。

朝倉 「戻ろう」

二人はゆっくりと坂道を下った。

他の組が次々と坂道を駆け上がって行く。

堀田 「あと2回か。そのあとジムワーク。弓が引きたい」

朝倉 「文句言うなよ。3年生がいないんだ。俺たちが先頭に立って頑張らなくちゃ」

 

次回は明日書きます。