You're always free to think. | ヘルメスの丘 ~In Tune with Hermes~

ヘルメスの丘 ~In Tune with Hermes~

伊野華絵(いのはなえ)の世界へようこそ。
ヘルメス(水星)が誘う、人生を楽しむ術。

私は小学生から高校生ぐらいまでの間、ある一人の小説家の作品に魅せられて 来る日も来る日も彼女の著作ばかり読んでいたものです。

 

著者の名は、Agatha Christie 

 

世界的に有名な推理作家 です。

 

きっかけは、父の本棚で見つけた 『オリエント急行殺人事件』 をふと手に取ったところから始まりました。

 

彼女の代表作のひとつであり、あまりにも有名でありますが、ご多分に漏れず わたしも彼女の世界に夢中になりました。

 

小学生、10歳ですでに夢中になりましたから、ちょっとおませさんだったかな?(苦笑)

彼女の長編推理小説は ほぼ読破したと思います(60作品ほど)。 おかげで視力が早々に低下しました。

 

最初は、その謎解き展開の面白さに魅了されたのですが、気づけば登場人物の描写の巧みさにひきこまれていった気がします。

 

一時、書物を大処分しましたが、その後でもいまだに手元にある唯一の作品が 「ブルートレイン殺人事件」です。

 

ストーリー展開よりも メインの登場人物である キャサリンという女性に非常に魅力を感じ、あまりに魅了されすぎて

訳書では飽き足らず・・・ Agatha本人はどうやって表現しているのだろう?

 

英語もまだろくに読めなかったくせに原書(元の言語の書)をがんばって取り寄せたという気合の入れ具合でした(笑)

 

今はその原書だけ残っています(訳書はいつの間にか手放してしまった)。

 

彼女のセリフはどれも珠玉の言葉に思えるのですが、特にお気に入りのひとつはこちら。

 

"But in a way, being tied physically gives you lots of scope mentally.  You're always free to think. I've had a lovely feeling always of mental freedom. (The Mystery of the Blue Train)

 

"ある意味、身体的に(状況的に)縛られていることは、精神的には自由を多く得ているといえますわ。

いつでも自由に考えることができますもの。わたしはいつだってその自由を楽しんできましたわ。" (伊野華絵の意訳デス)

 

主役の一人・キャサリンは、親が財産をなくし早くから自活しなければならない女性でした。

23歳のとき、彼女はある老婦人(気難しくて有名な)のもとに住み込みのコンパニオン(付き添いの世話係)として働き始めます。

彼女の前任者たちは次々と涙して辞めていったのに、彼女があらわれて以来10年、そこには平和が訪れたという表現で綴られています。

 

上述の引用は、彼女の仕事環境が窮屈で耐えられないものであったろう、と話しかけれたときの彼女のセリフです。

 

 

この本に出会った10代の頃、わたしの心はいろんな悩みを持っていたのだと思います。

 

その私に響いた彼女の 「(物理的)状況はどうであっても心は自由に何でも思い描くことができる」

 

幾度となく この言葉に励まされたことがそのあともありました。

 

というわけで、折に触れて手に取る愛読書のひとつです。

 

推理小説というより、一人の人物像に惹かれて所持している作品です ニコニコ

 

今日はなんとなくこのことをシェアしたかったので・・・ 綴ってみました。

 

わたしは 人生4X年になりますが、読んだ本はそれほど多くありません。けれども、気に入った本はそれがたとえ一文であっても

何度も何度も繰り返し読み、何年振りかにまた読んでみて、という楽しみ方をしています。

 

本ってすごい。

Agatha Christieは 1976年に亡くなっていますが、私がこうして愛読していることは知る由もなし。

 

ちなみに、占星術上で 本は水星=ヘルメス です。・・・なんだ、落ち着くところはまた "そこ" ですか(笑)

 

 

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