サローネ秘話 まとめ | INODA SVEJE DAILY BLOG

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イノダ・スバイエ デイリー・ブログ

真面目なレポートは、うちのユキ氏がやってくれたので、
私は、いつもながらのゴシップ付き秘話で、サローネを語ってみます。



サローネ秘話①
最近注目株だったmattiazzi社。サム・ヘクト、ブルーレックときて、今年はグルチッチ。大成功のハズが大ゴケだと思うのは私だけか。気づかなかった人も多かったはず。ちなみに、全てのアートダイレクションをドイツのスタジオに任せているので、mattiazzi社自体には次作を決める決定権は無いらしい。

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サローネ秘話②
ピーエルジョルジオ・カッツァニーガのオッサン(いや、正確にはジジイ)が健在だったのに驚く。いつも、これで、もつのかと思うくらいの驚きの軽快さで勝負して来る。その繊細さと定番な印象、シンプルで機能性に満ち溢れている作品群は圧巻。しかし、今年はアンドリュー・ワールド社やDesalt社など、メインを務めつつも、ほぼ同じ手法なので見飽きた感に襲われる。

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サローネ秘話③
まあ、どうでも良いっちゃどうでも良い話だが、現代を象徴しているので挙げるとすれば、ファビオ・ノーベンブレ。10年ほど前の全盛期のカッペリーニ社のORG TABLEで痛烈なデビューを飾ったのは、私にとっても印象的な出来事だった。今年の新作は「もう、どないせーっちゅうねん」と思わず関西弁が飛び出てしまうほどのくだらなさで、まあ、去年の同じくドリアデから出た顔椅子も同じ印象だったのだが、今ドリアデで一番売れている商品だと言う噂も耳にした。もう、辞めたくなるね、いやいや、辞めたらアカンやろ・・。

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サローネ秘話④
有田焼「1616」の」プロジェクトに魅せられた。メディアに踊らされたわけではないが、ショルテン&バーイングスの大量のシリーズに、良くこれだけ作ったなっという作り手からの労力の感想と、ポエジックな色使いは感動モノ。柳原さんのシンプルなプレートシリーズでは、光沢有り無しの2種類あるのだが、光沢無しのマット感が磁器独特の薄さと強烈にマッチ。ヤラレタ、と感じた。

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サローネ秘話⑤
これは残酷。黄色いフワフワの部分も脚もホンモノ。私には理解不能だったが、ニルスとその他の友人には「素晴らしい!」と大うけだった。

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サローネ秘話⑥ 
フロトット社。一昔前はマジスに勝るとも劣らないメーカーだった・・・ような気がする。そのあと、いつの間にか名前を聞かなくなっていた。その間に倒産しただの誰かに買われただのという噂もちらほら聞いたが真相のほどは知らない。Mattiazzi社がグルチッチで大ゴケしたかと思えば、ここは、グルチッチ1本で見事返り咲いた印象が強い。PR力はこの上なく強く、マーケットもコントラクトに絞り込んだ。たった1脚の新作を多様なカラーで花を持たせたのは、メーカー自身も賭けだったに違いない。ちなみにこのPRな感じ、数年前のPLANK社MYTOチェアーをほうふつさせる。ファッションメーカーのようなモデルと椅子のコンビネーション。プロモーションビデオがとても良く出来てる。

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サローネ秘話⑦
トルトナ地区の崩壊さ加減は尋常ではない。あなたが観光客や学生なら、「なんと活気にあふれているんだ、サローネは!」の一言に尽きると思うが、あなたが関係者なら、ここではもう商売は出来ないと考えるだろう。今年のフォーリサローネは、3,4年前から盛り上がりを見せるランブラーテ地区にやはり魅せられた。ヨーロッパのデザイナーは約9:1の割合で、コンセプトに9割を費やすと言っても過言ではない。残り1割は形。だから、奥が深く、作品自体にオーラが出てくる。ここには、そんな9のコンセプトを魅せる展示が多い。今となってはスターになったステファン&バーイングスもここからスタートしていた気がする。ここはインスピレーションを得るための場所。しかし、ここもあと2年くらいでトルトナ化するのは想像に容易い。かなり悲しい。

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サローネ秘話⑧ 
思ったより悪くなかったのがセシリア・マンツのフリッツハンセン社からのチェアー。薄いのに柔らかい座り心地、ポーストリィーの縫い目には、革のアクセント。あと、真面目なプレゼンの仕方は良かった。入口には職人のオヤジが手でカバーを縫いつけているパフォーマンスに、ショールームはショーケースにスケッチからモデルまでぎっしり。ハイメの今回のプレゼントかぶったけど、こういうの個人的に大好きだね。私もそのうちやってみたい。あ、ちなみに、ここは秘話なので話せば、セシリアのこの椅子のPRビデオが酷くすぎる。いかにも女性的な表現力。デザイナーとして最悪な説明の仕方。映像は綺麗だよ、でもこれが会社から出されているPRビデオとは思えない。

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PRビデオ:フリッツハンセン社_セシリア・マンツ編
http://youtu.be/whUkLqQ6qok

サローネ秘話⑨ 
plankから深沢さん出してたんですね。気づかなかった・・。感想?皆さんの感想を先に聞かせてください・・。

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サローネ秘話⑩ 
ZANOTTA社。今回は特に話題にもならなかったが、展示の仕方が真面目で良かった。こういう展示、大好き。

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サローネ秘話⑪
Kartell社の本会場の展示に見応えがあった。いつもの派手なだけな会場構成ではなく、とことんモデルから構造までを余すことなく、沢山の種類の家具において見せてくれた。こちらでは家具の場合、あまり企業秘密というものは無いと思う。あえて言うなら、「どんなもんだい、こんな事しちゃったんだよ。すごいだろう?」という企業の方が多い。どうせお互いに調べて競争するシステムになっているのだ。だからこっちのメーカーは伸びる。しかし、一方ミラノ中心部に位置するカルテル・ショールームでは、レニークラビッツに椅子を作らせ、彼をよんで、パーティーやらプレゼンなんかで大騒ぎ。なんで、レニーやねん!なんか、辞めたくなるね、いやいや辞めたらアカン。(2回目おやくそく。)

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