去年の今日、同級生の一人から

「元田が死んだらしい。」
という電話をもらった。

すぐに私は
元田のお袋さんに電話した。

「もう林君の耳に入ったのね。事実です。」
それが、答えだった。






ほとんど一睡もできずに
元日を迎えた私は

生きることの意味について
考えるようになってしまった。





私はいわゆる
「がん関係のもの」に影響を与えたい、と考えている。

ただ、既存のNPOの類には
失礼な言い回しだが絶望している。

その多くが
近藤系の感じ=胡散臭い系・・・になっちゃう理由は

・・・コレはあくまで私見であるが・・・

カネがないから。

NPOを運営するのはおカネがかからない。
と、考えている人が多いが
コレはとんでもない勘違いである。


例えば、事務局に
電話番のお姉さんを置いたとする。

彼女の給料を10万/月にしたとしても
年間120万の人件費がかかる。

事務所の家賃はどうなるのだろう?

光熱費は?

自分の家でやれば良いじゃん?

その家の家賃は?
持ち家なら、その不動産の取得コストは?



いわゆる、組織
というものを運営するには
意外なほどコストがかかるモノ
なのである。

月給10万だって
もらう方からすれば、かなりの安月給だが

アナタが払うとすればどうだろう?





だから、最初は崇高な思想で始めた
「メンタル系のNPO」は
そのほとんどが、
オカネ集めのために「胡散臭い系NPO」
に変貌していってしまう。

あるNPOのお呼ばれで食事に行ったら

「(がんの)三大療法はいかーん」
と、ずっと念仏のように唱えている
アタマのオカシイジジイがいた。

その場に誰もそれを咎める人がいない。
といった雰囲気。





人はわかりやすくキャッチ―な表現を悦ぶ。

「三大療法にはエビデンスがあり、医療である以上、効かない人と効く人がいるのは当然ですが、既に沢山の人に効くことが多いことが証明されておりますので、一度、試してみてはいかがでしょうか?」

とかいった表現よりも

「三大療法はいかーん」の
アタマがオカシく汚ねえジジイの表現
の方が、「科学というモノ」の本質を理解できない人
をミスリードするには都合がいい。





科学は、いまだに
全てのものを明らかにしてはいない。

だが、人類の歴史は
「迷信に科学が勝つ」歴史そのものである。



大航海時代、
遠洋を旅する貿易船の乗組員のほとんどは
罪人だったそうだ。

当時、船の難破が多発し
多くの乗組員が、
還らぬ人となったことは事実。

でも、彼らが心配していたのは
嵐に遭って沈没することでも、
大海原で座礁して、
動けなくなることでもなかった。



乗組員の最大の心配事は
地球は平らで、
地の果てまで行ったら、

地球の向こう側に落ちちゃう

ってことだったそうだ。

だから、乗組員は罪人か、
ちとアタマのオカシイ(=私のような)冒険者。


今は
地球は丸く、万有引力によって
地球上のモノは中心に向かって
すい寄せられてるということを
子供でも知っている。






話を戻そう。

つまり、マトモなNPOのほとんどは
極貧にあえいで、その活動が先細りになり

胡散臭げな看板を掲げている
NPOが勢力を伸ばす。

というようなことになっているのが
今のNPOの実態。




そうか。わかった。
カネがないならオレが稼げばいい。

それも、チマチマした1000万、2000万のカネでは困る。

ストックで最低10億、フローで1億稼ぎたい。

ってのが、年始の結論。

途中、背骨を取る。
というハプニングはあった。

でも、私の会社をエビデンスがある形で
大きくしてく準備は充分できた。




生きるために生きる
人生がつまらない、とは思わない。

死ぬのはイヤだ、
と思うのはヒトというものの
いつわらざる本音だから。

それに、生きるために生きる
のにだって、大変な努力が必要なときもある。




でも、こちら側の
健常者の世界に戻ってこれた以上
生きるために生きる
だけでは
人生がもったいない。




各種がんの、すい臓がんの知り合い、友人。
そして、元田。

多くの仲間たちが死んだ。

私は生き残っている。





実はこの一年、元田のお参りに行くのを
お袋さんから拒まれていた。

「どうしてもヤツが、
亡くなった事実を受け入れられない。」

何度、電話をしても同じ答え。

でも、11月ぐらいに、
「命日には食事会をしますので
それには、来てくださいね」
と言われた。




昨日は元田の命日。




神が
私に何らかの役目を与えたとしたならば
それは何なのだろう?

もちろん、私の考えは
少しずつ変わっていくかもしれない。





来年も再来年も
脳が正常に作動する限り

オレが生き残った意味、そしてオレの役目
を考え続ける
ということを、元田に誓ってきた。


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↑皆さん良いお年を。

私の方はいつもながら

アタマ以外は元気です。




先日、九大病院に行って
一外科の受付の子に久々に会って

「お元気でしたか?」
と聞かれたから

「アタマ以外は・・・」
と、いつも通り返したら

「アタマにも、何かできたんですか?」
と、言われてしまいました。

泣。