情報は、武器であり、力です。





自分の病気に関することを、
知らないほうがいい
などと言う人がいます。

おそらく、知らないほうがいい、
という人は、

悪い情報を知るぐらいなら

という意味を込めているのだと思います。




がんの、治療成績は
がんを直視し、明るく治療した人
が最もいいのです。



きっと、悪い情報を知りたくない
という人は、
それを知った後、自分が
明るく
闘っていけるのだろうか?

というところに、

疑問を持たれるのだろうと思います。

明るく治療する

という心理状態を獲得することは

後天的に可能です。

脳科学、大脳生理学など様々な学問がありますが

人は後天的に性格、気質を
変えることが可能であることが、
科学的に証明されています。




明るく治療する方法

については、今後、書いていく予定です。

まずは、自分の病気に関する情報を集めましょう。





治療に関する医療情報の取得法は

1、まずは、自分で調べる。

現代は情報化社会です。

私はインターネット、本、テレビ、新聞、週刊誌など
とにかく、ありとあらゆる媒体から情報を得ました。

情報を得るときに、大事な心構えは

一方で肯定的であり、
同時に批判的なことです。

クルマに乗るときは、
アクセルとブレーキをうまく使いこなして
乗ります。

がん治療の選択肢に
ベストなものはありません。

ベターなものがあるだけです。

ベターよりも、モアベターを

モアベターよりも、モアモアベターを
選ぶしかありません。




ところが、様々な本には
いろいろな思惑が絡んでいる場合が、
少なくありません。

当然、粒子線の研究をしている
医師の書いた本は
粒子線は、万能だ。

免疫療法を研究している
医師の書いた本は
免疫療法は万能だ。

もちろん、粒子線にも、免疫療法にも
それぞれに固有の強みがあり、
同時に弱みもあります。

でも、医師は専門ばかな人が多いので
どうしても我田引水的な議論になりがちです。

ですから、それぞれの本の内容からは
多少、割り引いて考える必要があります。




また、最近は、がんは治療しない方が良い
などと言う、トンデモ本まで
現れる始末。

近藤という医師が書いた
このトンデモ本については、
またいずれ書くかもしれませんが

私は、激しい怒りを覚えます。

何故なら、彼が、ああいったことを
書くことで、多くの助かる患者さんが
洗脳され、

治療を受けないという選択をし、
早死にする可能性があるからです。

現代日本には、表現の自由があり
保障されています。

しかし、彼は、がん界における、
オウム真理教の教祖です。

(はあはあ。
思わず興奮しちまったぜ。)

がんの本はできれば、いろんなジャンルから
10冊ぐらいは読むのがベターです。



本を読むときは、目で読みますが
使うべきは、アナタの
アタマです。



2、実際に診察の時に、医師に聞く。


私はQ大病院の診療科の違う複数の医師、
陽子線センターなど、
他病院でのセカンドオピニオン
を受け、意見を聞きました。

先日、書いたように、医師を恐れず
どんどん聞きましょう。

昔のお医者さんはどうか知りませんが、
現代の医師はきちんと、
説明してくれるはずです。

セカンドオピニオンについてですが、
納得するまで受けましょう。

実は、セカンドオピニオンで
治療の方針が変わることは、まれです。

例えば、私は粒子線でがんを
焼いてもらおうと思いました。

転移があるとされていた時は、
イタイのやだし、粒子線は痛くないらしいし

どうせ、1年、2年で死ぬのなら、300万払って粒子線だぜ。
(どうせ、保険が下りるしね。
私はメディコムと言う、使った医療費分
おカネを出す、という保険に入っていました。)

って思っていましたが、結果、不適応になりました。

また、その、不適応である理由を、
Q大の放射線科のS先生に詳しく聞きました。

転移があると、全身にがんが
散らばっているので、局所を治療しても
無駄、あるいは、かえって悪いという話です。

冷静に論理的に話を聞けば、
彼ら医師は、こちらが納得するまで話してくれます。

また、医師は自分の専門外のことについては
全くと言っていいほど、知りません。



これは、例えて言うと、焼き鳥屋さんに
寿司の握り方を聞くようなものです。

外食産業であることは同じですが、
ナンセンスなことは、
ちょっと考えればわかります。

同様に外科の先生に
粒子線のことなど聞いても
詳しいことは知りません。

私はCTの画像を持って、元田に
「オレのがんの映像見る?」
と聞いたことがあります。

元田は、
「CTの画像なんか見ても、
すい臓がどこにあるのか、わかんない。」

と、答えました。

元田の専門は小児科です。

たまに、専門外の医師のところに行って
あの先生は、何もわかっていない
などと言う患者さんがいるので。

アナタの主治医が、

「私には分かりません。」

と答えたら、アナタの主治医は、良い医師です。

アナタの主治医が、

「私には分からないので、調べます。」

と答えたら、アナタの主治医は、かなり良い医師です。

アナタの主治医が、

「私には分からないので、わかる先生を紹介します。」

と答えたら、アナタの主治医は、最良の医師です。




話を戻しますが、がんの
治療方針が覆ることは、めったにありません。

それは、日本の医療が悪いからではなく、

大抵の場合、
最初の医師が最善の医療を提供するからです。

でも、納得するまで、
いろいろな医師から繰り返し
説明を受けるのは
非常に有益です。

何度も同じことを言いますが、
アナタは、がん治療のメインプレイヤーです。

作戦の内容や作戦の目的を知らない
司令官はいません。

アナタは知るべきです。






3、できれば、ホームドクターを持ち、
ホームドクターの意見を聞く。

私の場合、元田に何でも相談しました。

でも、ほとんどの人は
医者の友達なんていないし、
いても、そんなに仲良くないし
そんなの自分には無理だよ。

って思われるかもしれません。





そんな方は、ホームドクターを持ちましょう。

自宅の近所の開業医が、望ましいと思います。

そして、できれば、
風邪の時、腹痛の時、頭痛の時
どんな時でも、その医師のところに行くといいでしょう。

医師は、特に町医者の場合、
自分の五感が最大の武器です。





元田は、ある時こんなことを言いました。

「オマエが白衣着て、医者のふりして
いつもオレが座っている椅子に座って
患者さんに聴診器を当てて

風邪ですね。

点滴、打っときますか?

って、ウチの看護師に任せてれば

一年のうち、364日は困ったことなんて
起きない。

風邪なんて、ほっとけば、治るからな。

でも、オレ達、町医者の最大の存在意義は

風邪の患者さんの中から
本当にヤバい患者さん
を見分けることだ。

それは、まあ、一年に一回ぐらいだけどな。」





ほとんどの病気は、熱が出るとか
ハラが痛いとか、アタマが痛いとか
そんな、風邪に良く似た症状で始まります。

町医者は、過去のカルテ、
血液、尿、患者の顔色、呼吸の音、心音
などなど
様々なデータから比較して診察をしています。



その中から、この患者さん
今日の顔色は
なんだかおかしいなあ、といったことを
考えているものです。

そして、本当にヤバそうな患者を
見つけると、少し設備の整った
具体的には、CTやMRIのある病院に送ります。

そこでは、さらに精密な検査が施されます。

そして、そこでも手におえない患者が
大学病院などに送られます。





それから、家族全員で同じ医者に
診てもらえば、
当然、家族全体の食習慣、運動の傾向、遺伝的な傾向
などまで、総合的に判断しているものです。


そんな医者が、家族の近くにいれば
重病の早期発見の、大きな武器になることは
間違いありません。


また、ホームドクターを獲得し、
がんなどの重病になってしまったら
最終的には
その医師に相談するのが、良いと思います。

普段からの、信頼関係があれば
専門医にされたときは
難しかった説明も、
アタマにすんなり入ってきます。


以上、がん治療の情報の集め方でした。

全部を実行できなくても、
できることから、少しずつでもやれば
アナタの寿命は、少しずつ延びるはずです。

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