妻は動物好きである。

ウチでは、巣から落ちて、
死にかけてたスズメを飼っている。

がんの手術は痛かった。

三日三晩、大して睡眠もとれず、
ベッドの上でうなされた。

妻は私の手を三日間、握ってくれた。

私はわがままだ。

暑くなると握っていた手を

ポイっと投げるように放す。

痛みが辛くなると、寂しくなって、妻に

手を握ってくれ

と、しぐさでアピールする。

妻はその手を握ってくれる。

そんなことを、何十回と繰り返した。

とにかく、経験したことのない痛みだった。

後に妻は

「あんなに弱った動物を見たのは初めて」

と言った。

私は妻にアタマが上がらない。

スズメの気持ちがよくわかった。

彼は妻に、
なついているのでは無く、
アタマが上がらないのだ。

私は妻を愛している。

のかな?多分、いや、でも・・・

私にとって、
空気や水と同じぐらい
大事な存在であることは確かだ。

術後、二日目、
うんうん唸りながら、
担当の看護師さんに

「看護師さんは
オレのタイプだよ。」

と言ったという記憶はあるが

私は妻を愛しているのだ。

こんなことを
書くつもりでは無かった。

そう、手術は痛かった。

それを書きたかっただけだ。

でも、入院生活で一番、
辛かったのは、手術ではない。

転移を指摘され、
余命3ヶ月と言われたことでもない。

一番、辛かったのは、

メシが2か月、食えなかったこと

である。

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