コノ話の続きです。


手術というのは、術前に必ず説明がある。

そこでは、様々なリスクの説明を受ける。

どちらかというと、悪いことばっかり。

骨生検の時は、結局、後ろ側からハリ
(というより直径5ミリぐらいの釘のようなもの)
を斜めに刺して
組織を取るということになった。

説明中、私が

「脊髄にハリが触ったら
どうなるんですか?」

と尋ねると、先生曰く

「下半身まひになります。」

「でも、ちょっと触っただけなら、
半年ぐらいで回復しますから、
大丈夫ですよ、ははは」

私は苦笑い。

先生は続けて

「ちょっと触っただけの時に、
気付くためにキョクマ(局所麻酔のこと)
でしますから。」

「キョクマだったら、ちょっとでも触れば
体がビクッて動くから
わかるんですよ。ははは」

「脊髄に触ったのに
気付かないで手術を続けたら
一生車いすですから、
ゼンマ(全身麻酔)は使いません。ははは」

明るい先生だった。

オレは心の中で

痛そう(涙)

だって、

「先生、骨って麻酔効くんですか?」

って聞いたら

「うーん、削った後は効きますけど、
削る前は
あんまり効きませんねえ。ははは」

削るときが
一番痛いような気がするんですけど・・・。

背骨のでっかい虫歯を
麻酔なしで取るようなものだ。

この時点、Q大では、背骨の影は、
ほぼ、がんだろう
という空気が支配的だった。







数日後、鹿児島の指宿の陽子線センターに
セカンドオピニオンを受けに行った。

すい臓と、背骨のがんを
陽子線で焼けないか?

という、セカンドオピニオンである。

手術って痛そうだし、
粒子線治療は痛くないって、聞くし・・・。
オレは痛いのは大嫌いだ。

看護師さんは大好きだけど、
注射はキライ。



本題。

この先生、診察にアロハシャツで出てきた。

「ウチは白衣禁止なんだよ」

確かに、看護師さんらしき人も皆、事務服。

「そうですか?
オレは白衣の天使も
捨てがたいですけどね。」

と言ったら

「いやあ、40年も医者やると、
白衣も見飽きるんだよ。」

先生の趣味なんだ・・・。

でも、白衣に飽きるなんて
医者にならなくて、良かった・・・。

「患者さんにも病衣や
寝間着を着るのを禁止したんだよね。」

「で、みんな入院中、
テニスやらゴルフやら、してる。」

「そしたら、入院に
保険が下りなくなっちゃってさあ、ははは」

「神戸はベッドが余っちゃって大変だよ」

先生は神戸の粒子線センターの出身である。
病院経営サイドから言うと、
メイワクな先生である。

持ち時間は1時間だったが、

白衣についての真剣な議論を50分ほど
残りの10分で、
病気について話した。
セカンドオピニオンにかかった費用は
宿泊費を含めると、10万程である。
実に有意義なディスカッションだった。



結局、先生が最後に言ったのは

「膀胱とすい臓を
チャチャっと切ったら
骨焼きにおいでよ。」

「でもね、僕の目には骨のヤツは
どうもがんじゃないように見える。」


反撃の狼煙が上がりつつあった。

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