先日、死を覚悟する。

ということについて書いた。

記事はコレ

死を覚悟することと、
あきらめることは全く違う。




複数の友人に、お前は強すぎる、
と言われた。

妻には、あなたのことがわからない、
と言われた。

元田には、お前はバケモノだ、
とまで言われた。

私にとって死への覚悟を持つことは、
そう難しくはなかった。

というよりも、それしか選択肢がなかった、
と言っていい。

死への覚悟を持つことの方法論は
いずれ述べるとして、
そのメリットを先に説明したい。





タイタニック号は
氷山の衝突が原因で沈没した、
とされている。

記録によると、
衝突から沈没までは、2時間40分。

乗員・乗客、約2200人中、
約700人が生き残っている。

生存率は約32%。

例えば、あなたと私が、
乗り合わせていたとしよう。

船はまだ浸水を始めたばかりだ。

避難する時間は十分にある。

生き残る確率をふやすために、
できることは山のようにある。

海に投げ出された時の、
ウキを確保する。

寒い海に投げ出される可能性が高いので、
防寒具を用意する。

漂流後、近隣の船や陸と
連絡を取るための道具を用意する。

水と食料を用意する。

まだまだ、できることはあるだろう。

私はあなたにこう言う。

「落ち着け、ゲームはまだ、
始まったばかりだ」と。

「天がオレたちを試しているのだ」と。

「助かるだけではなくて、
このゲームを
楽しんでやろうじゃないか」と。

考える時間は十分にある。

が、パニックになっている時間は、
もったいない。

助かるためには、
まずは死を覚悟することだ。

最悪のことを覚悟すれば、何より
精神が落ち着く。

精神の落ち着きは、
多大なメリットをもたらす。

最悪、死んだってダメもとだ、
という心境になれば、何にでもトライできる。



同じことが、がんの治療も言える。

元田が
「今のがん治療の最大の問題は、何かわかるか?」

と私に聞いてきたことがある。

告知

だそうだ。

がん治療に向かう時の態度には4種類ある。

1、がんであることを受け入れて、
前向きに治療する。

2、がんであることを受け入れてはいるが、
後ろ向きに治療する。

3、がんであることに目をつぶって、
前向きに生きる。

4、がんであることに目をつぶって、
後ろ向きに生きる。

の4種類。

当然だが、治療成績が一番良いのは、
1、がんであることを受け入れて
前向きに治療する、である。

良心的な本であれば、必ず書いてある。

あるいは、優しい病棟看護師さんは
会話の中で教えてくれる。

だから、告知を受けたら

がんであることを受け入れて
前向きに治療する、
べきなのだ。

どんな風に受け入れれば良いのか?

という問いに対して、
私の答えは最初に
「死を覚悟しろ」

である。

がんの告知を受けたら誰でもビビる。

泣こうが、喚こうが、
暴れようがあなたの自由だ。

それで、あなたの気がおさまるなら

おおいに泣き、喚き、暴れればいい。

泣き疲れ、喚き疲れ、暴れ疲れたら、
死を覚悟しよう。

死を覚悟すると、心が平穏になる。

覚悟したら、
後は最大限の治療を尽くすだけである。

自分が、がんに罹患したら覚悟を決めよう。

例えば、笑いは免疫系に
良いと言うが
がん患者にとって、
死を覚悟していない笑いは
どこか、空虚だ。

死を覚悟してしまえば
心の底から笑うことができる。

死への覚悟を決め、
前向きに治療することで、
あなたの病気は必ずいい方向に向かう。

私の5年生存率は5%だが、
私の体内にまだ、再発はみられない。



がん患者の家族や友人だった場合。

覚悟を決めるまで、そっと見守って欲しい。

余計な同情などいらない。

ただ、話を聞いてくれればいい。

「オレが死んだらさぁ」

と言うと

「そんなことは考えないで」

などと言う家族や友人がいる。

仕方がないので、
患者は言いたいことを我慢してしまう。

がんは、ある意味幸せな病気だ。

なぜ?って。

いつ死ぬか予想できるから。

例えば、財産がたくさんあるなら

誰にどれだけ分けるか
考える時間がある。

人に知られたくないモノがあれば、
隠す時間もある。

会いたい人に会う時間もある。

食べたいモノを食べる時間もある。

葬式は誰を呼んで欲しいか、
頼む時間もある。

家族や友人の皆さんは、
聞いてあげたら、患者は喜びます。



もちろん、病と闘う意欲が湧くのは、

大事な友人や家族と話をした時。

ありがたかった。

オレは幸せな男だと思った。

がんになったことで、人の優しさがわかった。


皆、ありがとう。

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