【あらすじは書きますが内容の詳細は書きません】

 

本屋に行ったらたまたま新刊が出てて、買ってしまった。

この人の描くBLマンガは本当におもしろいです。

キャラクター、設定、舞台、それぞれの立場や立ち位置の違いから発生する悩みと、激烈な感情の表現など、ものすごく巧みに描かれています。

BLを土台にしてますが、なんかもう普通に話がおもしろいです。

BLじゃなくても読みたくなる。

 

心理学が好きなのか、心理描写がめちゃくちゃうまいです。

所作一つにも意味を込めてて、キャラクターのバックボーンと現在の状況からもすごくフィットしてるんです。

すごく上手い。

ただヤってるだけのBLマンガは好みじゃないので、こういうストーリーと設定がしっかりできてるマンガが大好きです。

 

 

このシャングリラの鳥というマンガは、南国っぽい島の男娼専門の娼館が舞台です。

そこにある事情があってストレート(ノンケ)の男がやってきて、男娼のケアをする仕事(試情夫)を始めるものの……というお話です。

1巻は導入で、このシャングリラという娼館がどんなところで、男娼たちや試情夫がどんな暮らしをしていて、ストレートの男が戸惑いながらどうにか馴染もうとする、明るいポップな巻でした。

 

2巻はこのストレートの男の教育係になった男娼の過去が明かされ、それが今にどう影響しているかが描かれています。

少し不穏な空気が流れ始め、娼館のオーナーとこの娼館の立ち位置、客のことなどが描かれて、ここが単純な楽園ではない、危ういバランスの上に存在しているということがわかります。

 

そして3巻では、このストレートの男と教育係の関係にフォーカスしつつ、シャングリラの水面下で何かが起きようとしている雰囲気を醸していました。

恋愛観や感情の動き、感情の動きが行動にどう表れるか、そういった心理描写が多く、丁寧に描かれていて大変おもしろかったです。

嫉妬という感情が湧くのは、自分を支えるために相手を頼っているからなのかな、と思いました。

けっこう重めな話になってきたので、読みながらハラハラしてしまいましたが、読みごたえはありました、ページ数も多かったし。

まぁ好み的には1巻のライトでポップでハッピーな感じの方が好きなんですけどね。

なんとなく次巻で完結しそうな予感。

 

 

シャングリラの鳥の作者は座裏屋蘭丸という漫画家さんなんですが、この人の描く「リカー&シガレット」「コヨーテ」というBLマンガも良いです。

特に「リカー&シガレット」はめっちゃ好き。

タチの男が私の理想の男性にドンピシャって感じなんですわ。

どうやら私はクセ毛が好きらしい。

 

あんまりシャングリラの鳥3巻の感想って感じじゃなくなってしまいましたが、久しぶりにマンガ読んでハラハラしたので書きたくなってしまいました。

絡みもあるBLマンガですが、そこまでエグい描写はないし、誰でも読めるんじゃないかなぁと思うんですが、自分がBL好きだから自分の基準がアテにならんのですよね……すごくいろんな人に薦めたいのだけど。

BLが嫌い、同性愛が嫌い、恋愛漫画が嫌い、という人でなければオススメです。

本当に普通におもしろいので。