大阪の同性婚裁判が棄却されましたね。
正直な感想としては、やっぱりダメだったかぁという感じですね。
残念ではあります。
一石を投じたことにはなるでしょうが、ダメだったという前例ができてしまったのはちょっと痛手ではありますね。
こんな時代遅れな判決をしては、日本という国の印象も悪くなるでしょう。
どうにもこの判決は、価値観のアップデートをしたくない権力者たちへの忖度に見えますね。
私はLGBTのトランスジェンダーですが、性的指向が生まれたときの性の異性愛で、なおかつSRSや戸籍変更をを必要としないタイプのMTFだったので、結婚できました。
なので同性婚ができてもできなくても直接関係はありません。
一般的な異性愛の人たちと利害関係は変わらない、ということです。
その立ち位置からしても、同性婚に反対することは意味がないと考えています。
その理由を列記します。
「同性婚を認めたら少子化が加速する」という意見について
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少子化はバブル時代に遊び呆けてた世代が結婚と子作りをしなかったせいなので、同性婚は関係ない。
「今からでも少子化対策をするために同性婚は認めるべきではない」という意見について
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少子化の種が40年も前にあって、40年間同性婚を認めてないのに少子化は止まらなかったので、同性婚は関係ない。
「種として子孫を繁栄するのが使命だから、子供を作れない同性婚は種としておかしい」という意見について
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じゃあ男性の風俗利用と18歳以上の未婚と童貞と処女もおかしいな。
※そもそも子孫繁栄ってのは『生み育てる』ことを言うのではなかろうか。
この点に関して、まっとうに生み育てている異性愛の家庭は多くないように見える。
そもそも異性ってのは生態も脳の機能も価値観も違いすぎて一緒に暮らすのにあまり適してないのでは。適してたらこんなに夫婦の不仲、不倫の情報が溢れてるわけない。
そんなの同性だって同じだろ、というなら、その通り、同性でも一緒です。
つまり、育てるのに異性の組み合わせである必要はないということ。
産むのと育てるのと分業するのが一番の少子化対策だと私は思います。
多くの人が子育てしたくなさそうだし、子供邪魔みたいだし。
だったら子供欲しい人に育ててもらった方が合理的だし、愛情もらえて、子孫繁栄に対するネガティブな印象を受けずに育つことができるのではなかろうか。
「同性婚を認めたら不法入国などに使われる」という意見について
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制度を悪用する人はもうすでに悪用してます。
同性婚を利用する人も出てくるでしょうけど、そういう人はすでになんらかの方法で日本の制度を利用しているでしょう。
これは同性婚の問題ではなく、婚姻制度の問題です。
婚姻制度を不法入国に使われたくない、ということなら同性かどうかは関係ありません。
つまるところ、同性婚を拒絶する合理的な理由というのはないのです。
ということは、拒絶している人は感情で拒絶しているのでしょう。
そういう人は差別や蔑視をされたことが無い人達なのでしょう。
それはつまり、自分が差別や蔑視をする側、加害者側ということになるのでしょうね。
海外で暮らしたことがある人はあまりそういう感情を抱かない傾向にある気がします。
欧米だとアジア人だというだけで露骨に侮辱されたり冷遇されたりしますからね、そういう経験してると差別というものがどういうものか身に染みてわかります。
ホモフォビアを主張している人のでかい声がやたらと目に付くだけで、実際ほとんどの人は同性婚に関しては無関心だと思います。
そりゃそうです、身近にいなければ関係ない話ですからね。
なんとなく体感的には、ホモフォビアの人は1割~2割なんじゃないかなと思います。
ほとんどの人は「別にどっちでもいい」だと思うんですよねぇ。
ホモフォビアの人達は意見を曲げたり変えたりしないでしょうから、そういう人たちはほっといて、どっちでもいい人達に「どっちでもいいなら協力してください」ってする方が現実的だなーと思いました。
同性婚や同性愛を否定・批判している人の言葉や主張はネット上に残り、リアルな発言では人の記憶に残ります。
私の予想ですが、10年後は今よりも更にLGBTは受け入れられていると思っていて、そうなったときに、今否定や批判をしている人たちは肩身の狭い思いをするでしょう。
なんせ、自分はマジョリティだと思って行っていた差別行為が、いつの間にかマイノリティになっているんですから。
ストーンウォール事件を皮切りに、世界中で今もどんどんLGBTは認知されてきています。
これは一つの流れ、ストリームだと思うのです。
少しずつですが大きくなっていった流れは、滞ることはあっても止まることはないでしょう。
川に例えれば、流れで削れた川幅が縮まることはありません。
水が無くなれば流れも無くなりますが、この水はLGBT当事者ですから、これも無くなることはありません。
人類の数が減らずにLGBTだけ減るということはありえません。
LGBTの絶対数は変わらないと思います。
単純に可視化されてきて増えたように見えているだけで、そもそもの数は変わらないと思うのです。
なので、無くすこともできません。
この流れは世界中で徐々に強くなってきてます。
その中で日本はかなり遅れて取り残されているわけですが、元々確固たる軸があって拒絶しているわけではないでしょうから、周りに影響されて結局は認めざるをえなくなるでしょう。
周りと違うのは良くないという文化ですからね、日本は。
今が分水嶺だと思うんですよねぇ。
もう後は受け入れが遅くなればなるほど、世界の中での日本の評価は落ちていくと思います。
目の前に浅瀬がありそうなのに舵きりせず、浅瀬に突っ込むまで船の進路を変えないって感じです。
浅瀬があるから気を付けた方がいい、とわかる人、言える人を排除した結果、この国は座礁するでしょう。
運が良ければ救出されるでしょうが、助けても所詮日本だしな、と思われていたら転覆するかもしれません。
世界の中での日本の評価が落ちるということは、日本の価値が落ちるということです。
助ける価値がないと思われたら、戦うことをしない日本はすぐにどこかに侵略されるでしょう。
それが、同性婚を認めている国、かもしれませんしね。