常 笑 | 『命の授業』『5つの誓い』腰塚勇人

『命の授業』『5つの誓い』腰塚勇人

 体育教師がスキーでの事故をきっかけに、人生も人生観も大きく変わりました。今を自分らしく幸せに生きるためのヒントを普段の生活の中から紹介していきます。

1 常笑即ちこれ感謝成り


命の授業



 入院中私を自己嫌悪にし、ダメ人間、生きている価値がないと思わせる出来事が度々ありました。


そんなときの顔は情けなく、悲壮感と絶望に満ちていて自分のエネルギーだけではなく、周囲の人たちのエネルギーまで奪い取っていました。思いっきり被害者になった気持ちでいっぱいでした。そんなネガティブな状況を救ってくれたのが「笑う」ことでした。



 最初は意図のないあきらめめいた、ため息混じりの無気力状態の笑いでした。しかし、そこに小さな発見がありました。笑うという行為は、時に深刻な問題をどうでもいいもの=気を楽にさせてしまう効果があるみたいと感じたときがあり、具体的な方策が生まれたわけではないのに気持ちが楽になったことがありました。


せっぱ詰まった心理状態であった私にはエアーポケットのようで小さな発見のようでしたが、実は大発見でした。それからは笑顔をつくる事を心がけました。そうするだけでネガティブな気持ちに一瞬でもブレーキがかかるようになりました。状況は変わらなくてもポジティブな思考へのシフトアップのきっかけにはなってくれました。 



 次のステップとして笑顔をつくるのではなく自然に笑顔になるにはどうすればいいかを考えました。笑顔でいるとき?・・・。それは当たり前ですが嬉しいときで、嬉しさ探しをしました。そうしたら生活のあっちこっちに嬉しさを感じる種がいっぱいあり、その気持ちは「ありがとう」や「幸せ」という言葉や感覚でした。どんなものにも感謝ができ、ありがとうが言える自分がいると自然に笑顔が生まれてくることに気づきました。


そんな自分が好きになりました。今でも嫌なことが起こるとその出来事に「教えてくれて、気づかせてくれてありがとう」と言うようにしています。またそう思え・そうできる自分の器が大きくなった気になれ、またまた嬉しくなれます。明らかにネガティブさや敵意は薄らぎます。



 また常に笑顔がつくれていると周囲の人も気軽に話しかけてきてくれるみたいです。



私は「常笑」という言葉が気に入っています。それはケガをする前の人生全てが勝ち負けを基準に考えていたからです。当然勝つことにこだわり「常勝」こそ人生の勝利者と思っていました。


今「常笑」という言葉を知って?つくって?からは、その時々の人生を楽しめるようによりました。