
校長である私は、子供たちのことは当然、最優先に考えますが、同時に、教員たちのことも大切に考えています。
今日は昨年から考えてきた、6年生チームから教員チームへのチャレンジマッチをしました。
6年生キャプテンに、体育部教員に対して「挑戦状」を出すように指示し、その後の試合日程調整も、私ではなくキャプテンを中心とする6年生に任せ、1か月半の準備期間をへて、今日のチャレンジマッチが実現しました。


(試合前のサーブ練習の様子)
6年生チームとしては、この試合を目標に練習してきました。
公式戦に出場する経験も積ませてあげることはできず、他の小学生バレーボールチームでは、6年生はすでに引退をしていて、新チームに切りかわっているこの時期です。そのような一般的な流れとは別の状況に、我々のチームはありますから、6年生の心に一生残るような何かをしてあげたいと思って、教員チームに挑戦状を出させたわけです。
一方、コロナ禍でなければ、教員の親睦をはかるために、毎年、教員の学校対抗スポーツ大会が行われていましたが、ここ2年間は、それがまったくなくなりました。そうなると、日々、仕事ばかりに集中することになり、教員相互のコミュニケーションを一生懸命はかってはいるもの、どうも心の壁を破りにくい状況がありました。そうなると、よけいなストレスもたまるのですよね。「チーム学校」というキーワードが教育界にはありますが、我が校だけでなく、どの学校も、ここに壁を感じる2年間を過ごしているのです。
そこで、教員のチームワークを高めるためにも、子供たちのバレーボールレベルをあげて、対等に試合ができるようにする。そして、教員がけっこう真剣に向き合わないと子供たちに勝てない状況を生み出す。これが私の心に秘めたる学校経営の戦略だったわけです。
まんまと成功しましたね。
私は今日の試合で、日本バレーボール協会公認審判として、冷静にホイッスルを鳴らしながら、みんなが怪我をしないように試合をコントロールしていました。
審判台の上から、子供たちの真剣に挑戦する姿には当然うれしく感じましたが、それ以上に、教員たちがチームワークを発揮して頑張っている楽しそうな表情、そして、子供たちに最高の思い出を残してあげるために、チームコーディネートしていたベテラン教員の力量に、心静かに感動していました。
今日、体育館にいた皆さんは、きっと人生ドラマを見ているような、心に響く楽しさに包まれたことでしょう。
試合終了後、教員からは、
「校長、今日のようなことを、子供たちよりも、教員の方が求めていたことが実感できました。」
「本当に楽しかったです。またやりたいです。」
「次は必ずリベンジします!」
という反響をもらいました。
子供たちも、とても充実した試合を経験できたようで、私が指示していないのに、6年生が自分たちで教員室に足を運び、
「今日は本当にありがとうございました。またよろしくお願いします。」
とお礼のあいさつに来ました。
コロナ、コロナで、2年間。
おそらく99%の方々は、様々な制限にストレスをかかえていることと思います。
リスクマネジメントをするのは当然としても、みんなが「楽しい」という気持ちをもってくれるようにすることで、心身ともに元気になってくれることが大事だと思っています。
さあ、タートルズのみんなは、次に先生チームと試合するときには、10点も取らせないくらいの圧倒的なレベルのちがいを見せられるように、きびしい練習を楽しむストイックなチームにしていきましょう。