2014年に入って、子供たちを全面的に信頼して任せたスタートのミーティングは本当に大きな力となったと感じています。
『練習では他の人、他のチームよりも努力し、プラス思考を持つ。試合では、だれよりも声を出し、最後まであきらめず、誰からも応援されるチームになる』
このチームイメージを自分達のものにするために、辰巳ジャンプの子供たちは翌日の練習試合からメンタル面での成長を見せたのです。私から指示もしていないのに、キャプテンを中心に自分達の判断で、練習のはじめに大きな声で、『練習では他の人、他のチームよりも努力し、プラス思考を持つ。試合では、だれよりも声を出し、最後まであきらめず、誰からも応援されるチームになる』と全員で叫んで練習を始めていました。この自発的な行動こそ、辰巳ジャンプの最高の伝統です。だからこそ、歴代の辰巳ジャンプキャプテンは、どの県に遠征をしても「辰巳ジャンプのキャプテンはすごい!」と言われてきたのです。
今年のチームは辰巳ジャンプの歴史上、5年生で10人もの部員がいる最強チームです。この多彩なメンバーを引っ張るキャプテンの仕事は本当に大変なものですが、必ずやり抜いてくれると信じています。
私は学級担任をしていた時にも、学年の発達段階より何段階も上の「心のレベル」の課題を子供たちに与え続けてきました。例えば、小学2年生の学級を担任した時の合い言葉は、「6年生よりも学校のことを考えて行動する2年生になるよ!」というものでした。15年たった今、私の心を継いで、小学校教師として頑張っている教え子が現れています。4年生を受けもった時には、「この学校を支えているのは私たちの学年だよ!」と言い続け、責任感を育みました。その結果、私が受け持った子どもたちを引き継いだ高学年担任から、「5年生のスタートから、学校のことを考えて行動してくれる子供たちに本当に助かっています。」と高い評価をしてくれます。この評価はそのまま子供たちにはね返っていくので、自信をもった子供たちは、ますます自発的な行動で学校を良くしていくようになりました。
6年生を担任した時には、必ず「君たちが20年後、30年後の日本を作っていくんだよ。」と繰り返し言ってきました。私が教員として最後に2年連続6年、6年と担任した2つの学年の子供たちは、中学に行ってからたくさんの子供たちが生徒役員や各委員会、部活動の中心になって学校改革のために大活躍してくれました。
小学生の子供の心は純粋です。指導する大人が真剣に考え、信念をもって言動したことは、そのまま受け止めてくれます。どこへ出しても自慢できる子供たちに育てること、全校の模範となれる子供たちに育てることこそ、辰巳ジャンプの指導目標です。
さて話は変わって、私のところに届いた年賀状のひとつに、元キャプテン・U.Fさんの目標が書かれていました。
『今年の目標 全国制覇です。』
確かに、死に物狂いで練習すれば、全国制覇も夢ではない中学に彼女はいます。この年代が辰巳ジャンプにいた頃には、夢実現法則として繰り返し教えてきたことがあります。それは「アファメーション」です。これは肯定的にそして強力に自分自身の目標を宣言することを意味します。さらに教えてきたことは、自分の夢や目標をできるだけ多くの人に伝えなさい。心に秘めてはいけない。できるかどうかは関係ない。遠慮せず、どんどん宣言することで、その夢を実現するための協力者が次々と現れる。たくさんの人を味方につけて、自分が夢を実現する姿で協力者にも勇気を与えなさい。これは12月に大会開催でお世話になった中村学園の校長先生もおっしゃっていたことです。
昨日の太子堂練習会での最大の収穫は、こうした子供たちの自発的な練習姿勢にありました。
コート内でも、少しずつではありますが、チームの仲間に厳しい言葉、もっとレベルを上げようという言葉を言えるようになってきました。私が期待するレベル(理想)としては、私が何も言わなくても子供たち同士で厳しい練習を求めるようになること。私が驚くほど、お互いに厳しい態度で子供たちが練習をすることです。これは高校生レベルの課題だと思いますが、題名にもありますように、目指しているのは発達段階を超越したレベルです。できるかどうかは別として、『練習では他の人、他のチームよりも努力し、プラス思考を持つ。試合では、だれよりも声を出し、最後まであきらめず、誰からも応援されるチームになる』ということを実践できたら、5年生全員の心の財産になることは間違いありません。