![]() | 選択の科学 |
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文藝春秋 |
この本、ページをめくるたびに、かなり目から鱗状態になりました。
「選択」ということが、人間だけでなく、あらゆる生命体に与えられた貴重な財産であることがよく分かりました。
たとえばネズミであっても、選択をすることのできる環境にあるネズミは寿命が長く、選択権のない環境の中にいるネズミは「生きる力」を失っていくこと。
たとえば同じ教員であっても、自分の力で仕事を切り開いてきた人のストレスは少ないけれども、他者(管理職や先輩教師)の判断にゆだねて自分で判断(選択)することのできなかった人のストレスは高いということ。
その他、文化圏によっても選択の判断基準が違って、個人主義の選択にストレスを感じない文化圏もあれば、集団の合意による義務感や使命感を背景にした方が楽な生き方ができる文化圏もある。
要するに、「選択」するという判断基準が私たちの生き方に与えている影響がとてつもなく大きいことを知る一冊です。
日本を含めたアジア的な教育と、西欧的な教育では歴史的な背景が全く違うことを知らないで批判をするのが危険なことも教えてくれます。「フィンランドメソッド」とか「デンマークメソッド」というような西洋的な方法を、東アジアでは簡単に導入をすることはできないことを認識させてくれる一書でもあります。
教員は絶対に読んでおいた方が良いと私は思います。
読んでいただきありがとうございます。
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