
12月2日(木)、新宿区立愛日小学校が開催した研究発表会に参加しました。『自らの学びを深める「かく(書く・描く)力」の育成』というテーマで、全教科にわたって研究を深められていました。
2年前、N校長先生とH研究主任の先生のお二人が、「マインドマップを活用した授業を見てみたい」ということで、私の学級まで足を運んで下さり、道徳の授業を公開させていただきました。その後、H研究主任の先生が校内の若手教員を連れて、「マインドマップ体験会」に参加してくださいました。こうした関係もあったので、発表会にはどうしても授業参観しなくてはならないと思っていたのです。
教室に行くと、かわいい2年生が「こんにちは!」とさわやかなあいさつ。
担任である研究主任のH先生から、「ポニョのマインドマップをくださった先生です。」と紹介していただきますと、子どもたちからは驚きの声。「ポニョの先生が来てくれた!」「ポニョのマインドマップありがとう。」と声をかけてもらいました。すごく嬉しいものですね。子どもたちに認識してもらえるってことは。
授業は2年生の生活科。「しゅうかくさいをしよう」という活動の中で、自分たちがやってきたことを1年生に伝えるためにどうするかを考える内容でした。
さすがH先生の授業は素晴らしい!何の授業をするにしても基本となるのは「学級経営」です。これがしっかりしていることに深く感心しました。子どもたちの学習態度が整っているのです。その中でも最も注目したのが『聴く姿勢』です。先生が話を始めると、全員がスッと前を向いて姿勢を正す。そして静かに話を聴く。強い指導でこうなっているのではなく、H先生の個性であろうと思われる優しい指導、褒める指導でこの集中した姿勢を取れる子どもたちに育っている。若手の先生方はこういう学級を見て、自分の学級経営の参考にしたら良いのだと思える“お手本”でした。
そして、授業の中でのマインドマップの活用もとても参考になりました。
授業の流れはこのようなものでした。
【前時】
本時でマインドマップをかいている時間はないので、前時で自分たちがやってきたことをふりかえるためのマインドマップをかいておく。授業の効率化と子どもたちの思考がぶれないようにするために、セントラルイメージを4本の「指定ブランチ」からふりかえらせる。
【本時】
(1)前時にかいたマインドマップやこれまで書きためてきた観察カードを見ながら、1年生に教えたいことや伝える方法を「小カード」にたくさん書く。つまり思考を広げる活動を行う。(個人作業)
(2)広げた考えの中から、一番伝えたいことを「中カード」に書く。このカードに書く内容は、文字でも絵でもかまわない。(研究テーマが「かく(書く、描く)力の育成」ですから、ここで絵に描く力が発揮されます。)
・・・・・(1)(2)の個人作業を15分間。
(3)4人グループで、みんなが意見を書いた「小カード」を分類しながら「グループカード」に貼っていき、発表の方法まで話し合って決める。この活動で学び合いが生まれる。
(4)考えたことを班長が発表する。
「マインドマップ」と「分類カード」を組み合わせ、思考の格散と収束を効果的に行わせている。これならば小学校2年生でも十分に自分の考えを整理することができます。「マインドマップ」は日本での授業活用のスタート地点に立ったばかりですから、今回のH先生の実践は、とても素晴らしい前例となって、これからの授業開発に結び付くだろうと感じます。
さて、研究発表会というのは、どこの学校でも体育館での全体発表会が行われます。そして著名な方に1時間ほどの講演をしていただくのが習わしになっています。この日の講演は、女優の冨士真奈美さんが講師でした。
冨士さんは「俳句」の楽しさについて語ってくれました。
その話の中でも、「句会」を開くことで得られる「句友」のつながりが、人生をとても豊かにしてくれることをしみじみと語ってくれました。
実は私の学校でも、つい先日、職員室内で句会が開かれたのです。
教職員全員が秋の俳句を詠み、誰が読んだか分からないようにまとめた投票用紙で、全員で選句を行い、「天」「地」「人」の三賞を選んだのです。三賞に選ばれた先生には校長先生がスポンサーとなって「校長賞」が出されることになっていたので、みんな一生懸命に考えて創っていました。
この「職員室句会」は忙しい仕事の合間に、心の潤いをくれましたねぇ。みんなの笑顔を引き出してくれました。俳句の句会は、確かに人生を豊かにしてくれると体験できました。ちなみに私の創った俳句は「地」賞に選んでいただけました。すご~く嬉しい気分でした。こんな句です。
秋の雲 高さ測れし スカイツリー
来年度から国語の教科書でも俳句が大きく取り扱われますので、学校としても「俳句指導計画」を今年度中に作り上げ、来年度から全校をあげて取り組んでいけるようにしたいと準備をしています。
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