努力する選手の育て方 (辻秀一先生講演記録のマインドマップ) | 一歩一歩 前に前に(小学生バレーボールチーム 矢口タートルズVC)

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今日は東京都小学生バレーボール連盟・指導普及委員会による指導者テーマ別研修会に参加しました。


今回の講師は「スラムダンク勝利学」の著者であり、スポーツ関係者のメンタル面を鍛えていらっしゃる「辻秀一」先生でした。辻先生は脳科学の視点から講演をされる方ですから、今日の私の聴講目標は、『自分の教育実践(バレー指導を含む)の裏付けを強化する』ということにしていました。

『聴講目標』という言葉を書いてみました。この言葉はあまり聞かない言葉です。ネットで検索してもあまり出てこないので、私が造った言葉ということにしておきます。

様々な速読術の本を読むと、必ず出てくるのが「読む前の目標設定をする」ということです。この目標設定によって、本から読み取れる内容に大きな違いが出てくるのが速読術の特徴です。こうした読書における「目標設定」は、講演を聴く時にも役立つのではないかと思うのです。「この方の講演からはこんなことを学び取ろう」と目標を立てておくことによって、理解度が大きく違ってくるはずだと思いました。


さらに、いつも通りに「マインドマップ」で記録を取りながら、「最前列」で講義を受けました。なぜ私がいつも最前列にいるのかというと、次のような理由があります。
(1)最前列に座るという行動をすることで、ポジティブに講義を受けるのだというスイッチを脳に入れるため
(2)最前列は講師とプレゼン以外の「視覚情報」が自分に入ってこないので、脳の機能をフル回転させることができる。
(3)誰もやらないことをしている。最前列に座る人は全体の1%程度であろう。これだけで「成功」への一歩である。
(4)講師との距離感が近ければ近いほど「ライブ感」が増加する。
(5)場合によっては講師との交流が生まれる。
大好きな歌手のコンサートなら誰もが最前列に行きたいと思うのに、講演やセミナーになると後ろの方に座りたがる人が増えますね。でも、講師の方にとっては「最前列」で真剣に聴いてくれる人の方にどうしても関心が向くし、大切なのです。講師を自分の味方にするためにも、最前列に座ることをお薦めします。



前置きが長くなりました。いよいよ講演内容の話題を書きます。

今日のお話を箇条書きにしていきます。

(1)スポーツとは
・スポーツをすることによって得られるものは、「元気」「成長」「感動」「仲間」の4つである。

(2)目標の設定について
・夢に対して「根拠」を求めてはいけない。夢を「理屈」で考えてはいけない。
・夢を「理屈」で考えると認知脳が働き出してしまい、論理的に考えて「無理ではないか」というマイナス感情が動き出す。
・「自分は何がしたいのか」という感情論で夢を考えることが良い。
・目標というのは立てただけでは忘れてしまう。
・忘れないための「しくみ」を作っておく必要がある。
・その「しくみ」とは人に「話す」ことであり、紙に「書く」ことである。
・この目標を達成したら「こんなにワクワクするぞ!」という感情を想起することが大事である。
・そのように自分を見通せる技術を「ライフスキル」という。
・目標は他人に与えられたものではなく、「自分で決める」ことが大事である。

(3)目標達成へのプロセス
・一生懸命を「楽しむ」ことができるような心を育てることが必要である。
・自分の成長や変化を目的にしていれば、いろいろなことにチャレンジしていく力が出る。
・結果を重視するばかりだと、「認知脳」が働き出して、「無理」「できない」と考えてしまう。
・「自信」とは自分自身を信じることができることである。
・結果を出せたら自信つくということではいけない。とにかく自分を信じる力を強めることである。

(4)新根性論に基づく指導者論
・指導者の役割は、適切な強い「指示」を具体的に出すことと、選手のエネルギーとなるような「支援」をすることである。
・選手の「感情」と「考え」を理解すること。そのためには選手の話をよく聴く「聴き上手」になることだ。
・「分かってもらえた」という感情は、選手にとってとても大きなエネルギーになる。
・「話し上手」な指導者は、どうしても「分からせよう」とする。ところがこの行動が選手のエネルギーを奪ってしまう。
・「見通す力」もコーチには必要である。これをやったらこのように変化し、成長していけるという過程の見通し。
・「結果を重視する指導者」はどうしても何かとの比較から話をしてしまう。その結果、選手のエネルギーを下げる。例えば、大学スポーツのOBは「俺たちの頃はな・・・」という話をして後輩からエネルギーを奪っているケースがよくあるように。
・選手の成長を自分の喜びとし、心から応援できる指導者が良い指導者である。
・期待ばかりすることは良くない。期待するという行動は、相手のことを勝手に決めつけている行動である。
・視覚情報を与えることが大きな力を生む。100の説明よりも1つの良いモデルを選手に見せてあげる努力をすると良い。
・選手が「練習をやりたくてやりたくてしょうがない」くらいになってほしい。成長や努力をすることによって、自分がどれだけすごくなるかをワクワクしながら楽しめるライフスキルを身につけさせてあげること。


以上、90分間のお話の要旨をまとめてみました。


その後、辻先生は質問にも答えて下さいました。真剣な質問がたくさん出され、小学生バレーの指導者はやはり素晴らしいと私は感じました。質問からのお答も簡単にまとめておきます。

・子どもたちが一生懸命頑張っていることを「分かってあげる」ことと、その分かっているよという感情を伝える努力をすることが大事である。
・夢を持てる子どもにするためには一流選手との「対話」も大事である。サッカー協会は「夢プロジェクト」という活動を通して子どもたちの夢を育んでいる。バレーボール界もそういうことをできると素晴らしい。
・「褒める」ということばかりしていると、「褒められるから頑張る」「褒められないと頑張れない」という他律の意識を作ってしまう危険もあるので褒めのバランスが大事である。
・褒める以上に「信じる」ことに、高いエネルギーを生み出す力がある。「信じる力」をコーチも選手も持てると良い。
・目標を行動化するために、その目標に向かって進んでいく過程を大きく評価してあげること。
・勝ち負けという結果で評価しない。そこまで頑張ってきたこと、成長してきたことに大きな価値がある。
・目標の結果がどのようになっても、それまでの過程で努力してきたことの価値は下がらない。


講演内容は以上です。


私の聴講目標は、『自分の教育実践(バレー指導を含む)の裏付けを強化する』ということでした。
今回お聴きした内容は、すべて自分の学級経営やチーム指導で使っていることです。なので、聴きながら「そうそう!その通りだ!」と心の声にしていました。

私の課題だなと感じたのは、今回の講演内容は理屈では分かっていても、自分の指導実践のレベルがかなり低いということです。結果を求めてもいますし、子どもたちに過度の期待もしていますし、聴いてあげることよりも語りまくっている自分のイメージばかりが思い浮かんでしまいます。大きな反省をさせられました。

今日もこれからバレーボールの練習です。指導者としての自分の成長に対して、そして子どもたちの成長する姿に対して、ワクワクするようなライフスキルを身につけていくことを目標に、一生懸命指導をしてみましょう!


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