マインドマップを活用した読書感想文の書き方指導(7) 【実践・実例編】 | 一歩一歩 前に前に(小学生バレーボールチーム 矢口タートルズVC)

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はじめにお断りしておきますが、今回の記事は感想文の実例を書きます。万が一、ここに書いた文章を書き写して宿題にしてしまう子がいては困りますので注意しておきます。

このブログ内にある文章や画像をコピーすることは違法ですので、けっしてしないようにしてください。

さて、感想文を書いていくためのマインドマップ活用術も山場をむかえました。
今回は実践編になります。

前回の「感想文設計図編」で使ったマインドマップを元にして、あまんきみこさんの作品で、小学校3年生国語教科書にも載っている「ちいちゃんのかげおくり」の読書感想文例を書いてみました。


マインドマップを活用した読書感想文の書き方指導(6) 【感想文の設計図 編】


マインドマップ画像は添付してあるものです。
メインブランチは、
①はじめ
②自分について
③ちいちゃんへの手紙
④印象に残った言葉
⑤心が動いた所
⑥まとめ
となっていて、さらに今回は矢印→を使って「関連づけ」をしてみました。

この設計図を元にして書いた作文例が次のようになります。
全部で1557字もありますから、原稿用紙3枚(1200字)に収めるには、推敲(すいこう)が必要になります。推敲(すいこう)については次回「感想文の書き方(8)」で書きますので、まずは文例を読んで参考にしてください。

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『ちいちゃんのかげおくりを読んで考えたこと』
                 3年○組 ○○ ○○

「キラキラ笑いながら、お空の花畑の中を走っていったちいちゃん」でも、この時にちいちゃんは命をなくしたのです。戦争で、お空が楽しいところではなく、こわいところにかわっていたのに、命をなくした時にはお花畑になっていたのです。こんな悲しいことがあっていいのでしょうか?

私はあまんきみこさんの「ちいちゃんのかげおくり」を読んで、ちいちゃんがあまりにもかわいそうだと感じました。それは戦争によって、いっしゅんのうちに家族ともわかれてしまい、元気だったちいちゃんがたった3日で死んでしまったからです。しかもたった一人で、くらいぼうくうごうの中で、食べる物もなく、おなかをすかして熱を出しながら死んでいったのです。

戦争はたくさんのものをなくしてしまいます。それはちいちゃんにとっては、物であったし、遊びであり、家族であり、命でした。

なぜ人間は戦争をしてしまうのでしょうか?
きっとみんな「戦争をしたくない」と思っていると私は感じます。それなのに戦争をしてしまうのが人間です。
空しゅうも、どうして町でくらしている普通の人たちのところに落としたのでしょうか?
町でくらしている人々は戦いなどしたいと思っていなかったと思います。生活するのだけでも戦争中は苦労をしてしまうし、もっと普通にくらしたいという願いをみんなは持っていたと思います。それなのに、なぜ空しゅうをして普通の人々をまきぞいにするのでしょうか?
ちいちゃんは戦争とか死ぬということもまだ分からない小さな女の子です。きっとちいちゃんだけでなく、もっとたくさんの同じような女の子が空しゅうのぎせいになったはずです。それでいいのでしょうか?私はぜったいに良くないことだと思います。

私は、この「ちいちゃんのかげおくり」を読んで、自分にもできることがないだろうかと考えてみました。いいえ、私がやるべきことがないだろうかと考えたのです。
ひとつは「学ぶ」ということです。戦争や平和のことをもっともっと関心をもって学ばなくてはいけないと思いました。
ふたつめは「行動する」ということです。戦争や平和のことを考えたり、考えたことを友だちや先生、そして家族と話し合ってみることが大事だと思いました。
そして今の自分がちいちゃんにくらべたらすごく幸せなんだと感じました。なぜなら、今の日本は戦争がなくて平和ですし、家族もいる。遊びたい時には友だちと遊べるし、学校に行って勉強をすることもできます。

そう考えると、いてもたってもいられなくなり、お母さんと戦争の話し合いをしてみました。私が、
「お母さん、もし戦争が起こって、ちいちゃんと同じようなことになったらどう思う?」
と聞くと、お母さんはこう話してくれました。
「もし家族が死んでしまったら、お母さんはきっと悲しみのあまり、くるってしまうかもしれないと思う。できればそんな悲しいことは考えたくないけど、あなたが真剣に聞いてきたから考えた。だから私たちは平和に生きていくためにだまっていないで発言をしていった方がいいと思う。たとえば選挙にはぜったいに行って、正しい政治家を選ぶべきだし、私たちも、どんな人にもやさしく接していけるように努力しなくてはいけないと思うよ。」
私はお母さんの話を聞いて、本当にその通りだと思いました。だから私は夏休みが終わって学校に行ったら、友だちや先生と平和のことについて話してみたいと感じました。

ちいちゃん、あなたは家族とはなればなれになって、さみしかったね。おなかもすいて熱も出て、つらかったね。でも、最後にお空の花畑で大好きな家族と会えてよかったね。私はね、ちいちゃんのようにかわいそうな戦争のぎせいしゃが出ないように、自分のできることをせいいっぱいしていこうと思ったよ。ちいちゃん、だから青いお空から、私のことを見ていてね。