
7月1日(水)に隣の学級で区小研の研究授業がありました。
テーマは「情報を適切に活用できる児童の育成」で、サブテーマは「新学習指導要領の『思考力』『判断力』『表現力』を伸ばすために」という研究です。
今回の教科は国語。教材は光村図書6年教科書「森へ」でした。この教材を五感の視点から感じ取り、イメージを広げていくという授業を行ってもらいました。
この「五感からイメージを広げる」というねらいを達成するための手立てとして、「サウンドスケープ」「マインドマップ」さらに「学び合いの考え方」を活用し、これらを授業の中でどのように使っていったら効果的な学習を進めることができるかを研究しました。
授業は担任教諭も子ども達も一生懸命さが伝わってくる雰囲気の中で進みました。
まず始めに「サウンドスケープ」の手法から「音さがしのワーク」をする。
子ども達は目を閉じて、教室から一切の音を無くします。シーンと静まりかえった中で、担任はコップと水の入ったペットボトルを出し、“♪トクトクトク♪”とつぎます。この音を聞いて、いったい何をしているのかを当ててもらうのがこのワークです。
これ、子ども達の心にはかなり食い込むワークです。1週間前に私のクラスで事前授業をしてもらった時も、子ども達にはすごく好評でした。
こうして耳に焦点を当てる準備をした上で、文章中から読み取れる「音」と、そこから感じられる「イメージ」を探していく活動に「マインドマップ」を活用していきました。
「マインドマップ」を使うと、どの学級でも高いレベルのフロー(集中)状態が生まれます。今回も参観している先生方が感心するくらいのフォロー状態で15分間作業を続ける子ども達の姿がありました。
なぜフロー状態が簡単に起こるのでしょう?
それは止まって考える時間がないからです。マインドマップ活用のポイントは子ども達の指を止めないことにあります。止まりそうになったら「ブランチを描くだけでもいいから指を動かそう」「文字で行き詰まったら絵を描いていていいよ。」という支援の言葉かけによって、15分間でも30分間でも止まらないで作業をすすめることができるのです。
身体それぞれの部分を支配している神経細胞の量を表した「ホムンクルス」という絵があるのですが、その絵で最も大きく描かれているのが「人差し指」です。人間の脳は「人差し指」を動かすことによって、もっとも活性化することになるので、描く作業の手が止まらないマインドマップが脳に刺激を与え続け、いとも簡単にフロー状態が起こるというわけです。
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さて、今回の授業後に行った研究協議会で、担当講師として来てくださった教育委員会指導主事の先生の言葉が、我が学年のことを象徴していました。
「この学年の3ヶ月前の姿を教育委員会でもみんなが知っていて心配していましたが、今日の様子を見て驚きました。考えられない、信じられない立ち直り方です。現担任の二人がどのように子ども達を指導してきたのか想像もできません。井上先生から『徹底的に自尊心を高める教育を行ってきた』とありましたが、マイナスがいっぺんにプラスに転じた。それほど素晴らしい成長の仕方です。」
どうですか!
4月当初に、
「この学年は『マインドマップ学年』だから、キセキのようなドラマが生まれますよ。ぜひとも楽しみにしていてください!!!」
と宣言した通りになっていますよ!
でも!
これはドラマの始まりであってゴールではありません。
12月にある井上の研究授業では、今の立ち直ったと言われる姿までがウソであるかのように、もっともっと素晴らしい自尊心に満ち満ちた学年になるのです。
そして卒業式には映画の「Rookies~卒業~」を超えるような、自信と誇りに満ちた姿となります。
マインドマップ学年のすべては「ゴールの強烈な成功イメージ」からの逆算で前進しているので、間違いなくプラス方向に向かってしまいます。そのように脳が「自動操縦」してくれることになっています。
【お薦めの本】
「ホムンクルス」については池谷先生の本を読むとよく分かります。それだけでなく、脳の働きについて、なるほどと思うことをたくさん書いてくれていますので、まだ手にしていない方はぜひお読み下さい。
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