
6年生国語の教材に「生き物はつながりの中に」という説明文がある。筆者の中村桂子先生は私も尊敬している方で、文中に優しさがあふれていて嬉しくなる。読んでいて、この教材を教えたいなぁと感じる著作である。
教材文は、本物の犬とロボットの犬では何がちがうのか?という対比をさせながら、本物の生き物は空気といい食物や水といい、外から内へ何かを取り入れてそれを変化させ、自らの血肉としていくことで他の生き物のとつながりがある。ロボットにはそれはできない。
また、生まれ方も本物は親から生まれ、それが何代も続いているつながりのある生命体だが、ロボットは人間に作られる。
ロボットはコピーをいくらでも作ることができるが、本物はアイデンティティーというものがある。コピーを作ることは絶対にできない。たとえコピーを作ったとしても、環境の力で他のものに変化していくのが生き物だから。
筆者は最後にこうまとめている。
「あなたは、かけがえのない存在なのです。」
「自分を大切にすることと他を大切にすることは同じことだいう気持ちになりませんか」
「あなたが生き物であることは、すてきなことだと思えてきませんか。」
すてきな文章を書ける人は、心もすてきだと思いませんか?
私はそう思うので、中村桂子先生のこともぜひ知ってほしい。
BRH(生命誌研究所)「中村桂子のちょっと一言」
Wikipedia検索「中村桂子」
宇宙航空研究開発機構「生命誌から見た宇宙」中村桂子さんへのインタビュー記事
中村桂子先生講演録「21世紀は生命の時代」(財団法人塩事業センター主催)
さて、この教材で学んだこどもたちは、見事にマインドマップをかき上げた。
本当は「マインドマップ」ばかりやっていてもいけないと思っていたので、ちがう教え方をしようと教材研究をしたのだが、教材文を読めば読むほど、「これはマインドマップを使った方が絶対に良い授業になる。間違いない!」と判断した。
画像は、学習のまとめに「自分とのつながり」というテーマでかかせたマインドマップの一例である。
この子はこのマップで「家族とのつながり」というブランチをかいている時に、
「は~・・・泣きそうになってくる・・・」
とつぶやいていた。
そのつぶやきが私の耳から離れない。
尊敬する中村先生の教材文を通して「家族に感謝する心」を耕してくれた。
ほかの子のマップの中にもこんな言葉が見つかる。
「無いと死んでしまうほど困るもの・・・友達」
「家族のことを考えていたら、世界中の人々もみんな家族だと気づいた」
「サッカーをやるにしてもたくさんの人のつながりの中でやれている」
「自分が映画好きなのは、親子三代、おじいちゃんからお父さん、そして僕まで受け継いできたものだと分かった。」
「ペンにしても、だれかが考えてくれたから私たちが使えるんだ。」
「お母さんは私を産んでくれた。私にやさしくしてくれるのはなぜ?と自分に質問したら、私を愛して大切にしてくれているからだと気づいた。」
「食料や水もなかったら死んでしまう。だれかが私のところに届けてくれるから死なないですむんだ。」
たくさんたくさん、気づいているこどもたち。
授業中にかき切れなかったあと3分の2の子たちが来週持ってきたら、もっとすごい学習の広がりを見せていくことになるだろうな。
今週、来日していたトニー・ブサン氏の言葉・・・
『ノー!リミット!』
今回の授業・・・一歩だけ近づけたかなぁ???
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