パイリング | 保存版印刷虎の穴

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●ブランパイリング、ローラーパイリング、インキがパイリン
グしているとか、さまざまなパイリングという言葉がでていま
す。パイリングとはどういういみなんですか?
byうまなりサン


●英語では、[pile:積み重ねる; 積み重なる, 蓄積する,
たまる ((up))]から来た言葉です。直接パイリングを検索す
ると[piling:杭打ち]となってしまうので注意が必要
です。
で、積み重なる、蓄積すると言うことから印刷業界では「残
り」と訳しています。つまり、プランパイリングは「プラン残
り」、ローラパイリングは「ローラ残り」、プレートパイリン
グは「版残り」となります。

それぞれの原因には、様々なものがありますが代表的な物を
いくつか上げておきます。

プラン残り:ほとんどは紙粉です。紙の紙面強度に対し、イン
キの粘り(タック)が強く紙の表面を剥いて来ている場合が多
いのです。先胴で水を与えられたことで極端に紙面強度が落ち
る紙もあるので注意しましょう。但し、FMスクリーンなど極端
に小さな網点を印刷すると一旦紙に転写したインキが、急速に
固くなって後ろの胴で取られる「後胴残り」が発生します。

版残り:これは、ほとんどインキに原因があります。インキに
使用されている顔料等の固形分が大きすぎる(練肉不足)や重
すぎる(金銀インキ)場合。顔料とワニス(樹脂と油)の相性
が悪くて、印刷中に湿し水がインキと混ざると、インキ中から
顔料がはじき出される場合があります。

ローラ残り:インキ、紙両方が原因となります。紙質の悪い紙
を印刷すると紙粉がローラまで上ってきて水を含むことでイン
キの転移を妨げる原因となります。ローラ洗浄では溶剤だけで
は落ちないので、エマルジョンタイプ(水と溶剤の混合)の洗
浄液を使用します。インキの場合は、版残りの時と同じ原因で
す。インキ中に水が入りすぎて、インキの転移性が落ちた結果、
インキがローラに溜まる「ローラ溜まり」とは区別しています。
(byいんちきやサン


●インキメーカーによってプラン残りの状況が異なると言うの
は良く聞きますね。インキメーカーによって使用している樹脂
種類とか油の量が異なることからくると思われます。また、Sタ
イプとかNタイプとかの硬さの規格も違いますから・・・。
最近のオフ輪はスピードが上がって、インキ全体に軟らかくな
っています。インキが軟らかくなると、インキ中に湿し水が入
りやすくなり、インキが散りやすくなります。散りやすいとい
うのは、紙面には出てこないけどブランケットの非画線部にイ
ンキが積もる現象(非画線残り)を引き起こします。ちょうど
画線部が凹版状態になり、段々と印圧が掛からなくなり、着肉
が悪くなります。これをプラン残りと呼ぶ場合もあります。
 ブランケット画線部に残りが発生する場合は、インキが紙面
強度より硬く、紙粉を持ってきている場合とインキの中の顔料
等の粉分が堆積する場合があります。インキが硬いのはヒート
セットインキの場合、機械温度によって、溶剤が飛びやすくな
り同じインキを使用していたとしても変動する可能性がありま
すね。インキが軟らかくなることは、顔料を運びきれなくなる
のでやはり残りには不利に働きます。
インキ練りローラ(バイブレーション)は冷やしていますよ
ね。版面の温度が30~32℃位が正常ですが、パイブレーシ
ョンローラの冷却が不十分だったり、湿し水の温度が高いとト
ラブりますよ。
でも、メーカーによる違いと言うのは、本当は湿し水の適量
の違いから発生していることが多いんですよ。前述したとおり、
湿し水の上げすぎは様々なトラブルの原因となります。インキ
が違えば湿し水の適量も変わりますので面倒見てやってくださ
い。
byいんちきやサン