●なまはげ
初めて質問させて頂きます!
用紙の温度が低いと着肉が悪くなる理由が分からないのですが
どなたかわかる方はいらっしゃいますか?
会社の方々に聞いても理由まで分かる方が居ないので気になっています。
2024/8/10土5:00
●成田祐司
はじめまして~。
こりゃ簡単な話なんですよ~。
例えばですよ、印鑑を押す時の事を
考えてみて下さい。極端な話ですが
適度に暖かいプレートの上に紙を
置いて印鑑を押すのと、シッカリ
冷え切ったプレートの上に紙を置いて
印鑑を押すのでは、どちらが着肉が
イイか?って考えた場合、暖かい方が
朱肉の乗りが良いですよね。
ましてや、印刷インキの場合は、
紙の上に、1ミクロン、0.001mmと
言う、超極薄で超繊細なインキ皮膜を
作ろうと言うワケですから、少しの
温度変化でも大きく着肉性が変わって
しまいますよね。インキは温度変化に
非常に敏感な、液体ですから本当に
紙面の温度には敏感に反応してしま
うんですよ。
液体であるインキが、固体に変化する
事を印刷では、乾燥と呼んでいます。
液体から固体に変化する時には温度と
言う要素がメッチャ大切なんですよ。
異常に高い温度も問題ですが、温度が
低過ぎると、固体化するのに時間が
掛かってしまい、乾燥不良を起こして
しまいます。乾燥はね、化学変化なん
ですよ。化学変化には温度が、とても
重要な要素に成るんですわ。これと
同じように、着肉性にも温度が大きく
関わるのだと考えて下さい。
でもね、紙の温度より問題なのが、
圧胴の温度なんですよ。いくら紙が
暖かくても、圧胴がキンキンに冷え
てたら、一気に紙も冷えてしまい
ます。冬の朝一番の仕事がなかなか
うまく行かないのは、この圧胴の
冷え込みのせいだったりしますね。
2024/8/10土7:23
●なまはげ
お返事ありがとうございます!
インキにとって温度がそんなに大事だとは思いませんでした!
室温は25度前後をキープ出来ているので大丈夫なのですが、紙倉庫は空調がない為、外気温に影響されて冬は困っていました…
工場環境を改善してもらえるよう社長に相談してみます!
2024/8/10土12:20
●成田祐司
紙倉庫まで温度管理が出来てる工場
って、見た事が無いですよ。そりゃ
多分ね、無理ですわ~。
使う紙は前日に印刷工場内に入れて
環境に慣らすってのがイイんですが、
スペースの問題も有りますからねぇ。
とにかく、出来るだけ早目に工場へ
紙を入れるってのを心掛けるべき
ですよね。それだけで給紙もインキ
の着肉も随分、改善されますよ~。
印刷指導で、宮城、山形には行った
んですよ。秋田にも行きたかったん
ですが、残念ながら秋田の地を踏む
事が出来ませんでした~(涙) あと
青森にも行けませんでした~。
2024/8/10土13:25
R1
●保
なまはげさん、初めまして。
成田さんが仰る通りで、用紙は出来るだけ早く印刷室に入れておく。ってのがいいですよね。
それと紙倉庫まで空調を入れてる会社は無いと思います。
朝から雨が降ってる日に届いた用紙なんて、ワンプも湿気を吸ってブヨブヨ波打ちしているなんてのを見たことありませんか?
紙屋さんの倉庫も、紙屋さんが仕入れる問屋さんの倉庫も空調は入っていません。
それをトラックで配達してくれるわけですからね。
話の角度を変えますが、我々は工場の中で一所懸命に働いていますよね。だから他所の工場なんて見る機会なんてない。
というのが現実です。
でも一部の人、工務とか業務と云われる人達は他所の会社に行く機会がよくあります。
もし可能であるならば、その人達と一緒に他所に行ってみる事です。でもヒマじゃないと無理なんですけどね。(笑)
紙屋さんや同業者も製本屋さんも、それぞれ工夫がありますね。勿論参考になるものならないものも両方あります。
私よく感心するのが、用紙を端数で頼むとき、紙屋さんが端数を数えるのですが、我々のようにワンプをすっかり開いて数えるような事はしません。横の一辺を開け中身を引っ張り出して数えますが、全判の紙は揃ってませんからね。
なかなか職人ワザだといつも感心します。
そんなこんなで勉強になる事は多々あったりします。Up 8/11 8:24
2024/8/11日8:22
R2
●Dakko
> 私よく感心するのが、用紙を端数で頼むとき、紙屋さんが端数を数えるのですが、我々のようにワンプをすっかり開いて数えるような事はしません。横の一辺を開け中身を引っ張り出して数えますが、全判の紙は揃ってませんからね。
> なかなか職人ワザだといつも感心します。
> そんなこんなで勉強になる事は多々あったりします。
...ですよね。
恐らく紙の厚みを指の感覚で覚えているんだと思います。
(見えてる枚数じゃなく、親指が感じる枚数感覚ですね)
そこがプロフェッショナルなんですよね~(^-^)
2024/8/15木22:38
●成田祐司
オレ、実は昔、紙卸商に居たのよ~。
紙卸商が印刷機を持ってるって言う
会社なんですわ~。
年に2回、棚卸しが有りましてね、
その度に紙の端数を全て数えるん
ですけど、普段から出ない紙なんて
まぁ埃だらけで、棚卸しの度に、
埃まみれに成ってましたわ~。
保さんの仰る通り、ワンプ全ては
開けません。端っこだけで数えます。
でもね、Dakkoさんの言うような
指の感覚を持ってるヤツなんて、
あの会社には居なかったですよ~。
紙屋に、そんなスゲェ人、居ない
ですよ~(笑) 必ず目視で数えて
ました。在庫台帳と照らし合わせて
一枚でも間違えが有ったら、後から
メッチャ、どやされますんで(汗)
揃ってない紙を数えるのは、
職人技と言うよりは、慣れ!って
ヤツですわ~。テクニックは
確かに色々有りますが、オレでも
やれるくらいの、軽いテクニック
ですよ~。スンマセン、お二人の
お話に、水を差してしまって(汗)
本当の紙屋の技は、紙の切れ端を
見ただけで、その紙のメーカーや
銘柄を言い当ててしまうところだと
思います。連量(厚み)は、指先の
感覚で当ててしまいますね。
新しい紙の見本帳が出るたびに、
見本帳と、にらめっこしてるヤツが
居ました。彼は本当に紙職人でした。
「紙は触らんと分からん」とか言って
見本帳の紙を触りまくってました。Up 8/16 16:40
2024/8/16金16:34
R0 2024.08.10 記事作成
R1 2024.08.12 記事追加
R2 2024/08/17 記事追加