ある日、友人Aから
「僕の知り合いが家を探すって言ってて、お願いしてもいいですか?」
と相談されました。
こんな嬉しい話はないので、「もちろん!」と即答し、
「“だいたい”でいいから、条件とか聞いてきて~。」と友人Aへ伝え、連絡を待ちました。
数日後、
「○○小学校(公立)の学区内で、新築の一戸建てがいいみたいです。予算とか細かいところまではまだ決めてないみたいで、まずは物件を見てみたいそうです。」
と友人Aから連絡がありました。
条件としては、わりとよく言われる一般的なことだったので、
「そんなに難しい案件ではないなぁ・・・」と軽い感じで仕事に取り組みました。
ところが、それから数カ月たった今でも、物件を見つけられずにいます。
(この記事がアップされるころには、見つかっているかもしれませんが・・・。)
指定された学区内にいくつか新築戸建がありました。
10棟ほどがまとまって作られた分譲地と、それ以外に2件程。
思っていたより物件数は少なかったです。
10棟ほどの分譲地の物件は、全体的に面積が小さく、お客様の希望とする広さではありませんでした。
それ以外の2件も、他の条件に外れてしまっていたようでした。
その時点で、今ある物件情報だけでは進みそうではなかったので、少し時間をかけて物件を探していくことにしました。
それから数カ月たった今でも、物件を見つけられず・・・。
実は、不動産アルアルなのですが、今回のように学区などによって“エリアを絞る”と、極端に物件が見つからない場合があるんです!
不動産において、何よりも変えられないのが“立地”なんです。
予算の条件や間取りの希望は、工夫次第でなんとかなります。でも、立地は・・・。
痺れを切らした私は、○○小学校の学区“外”も探してみることにしました。
「それじゃぁお客様の要望から外れちゃわない??」と思われるかもしれません。
しかし、こんな裏技があるんです・・・。
その名も・・・『越境』・・・!
本来の学区とは違うエリアから、その小学校(中学校)に通わせることです。
とは言え、実際に通学するのは子供です。
子供の足でも通える範囲で探す必要があります。
これらのことをお客様へ伝え、元々の希望の学区外での物件探しを開始しました。
すると、これまでよりも多くの候補となりそうな物件が出てきました!!
今は、その中から候補を絞り込んでもらっています。
(この記事がアップされるころには物件が決まっているかもしれません!)
ここで、『越境』について、注意点があります。
まずは、“子供を通わせたい学校が『越境』を受け入れてくれるか”を確認する必要があります。
むしろ、それこそが最大のポイントです。
でも、これが結構難しいのです。
私のような不動産業者や当事者(児童の保護者など)以外が問合せると、
「回答いたしかねます」と言われ、『越境』の可否を知ることができないのです。
これは、教育委員会に問い合わせるのですが、彼らからすると当然の対応なのです。
「せっかく指定した学区を簡単に超えられてしまっては、計画通りに生徒数を配置できず、職員の採用計画や学校の修繕計画が狂ってしまう!」
という問題があるからです。
もし、我々のような“部外者”に「『越境』は大丈夫!」なんて言ってしまい、その噂が広まれば、このような問題に発展してしまうからです。
では、どうするか・・・。
これは力技ですが、当事者(児童の保護者など)に直接確認をしてもらうしかありません。
それでも上記の通りの基本方針が教育委員会にはありますから、簡単には「『越境』は大丈夫!」と言ってはくれません。
「現状では『越境』を受け入れられますが、極端な話、近くに大型マンションができて急に入学者数が増えた場合などは『越境』をお断りすることもあります。」
と大体の場合はこんな感じで言われます。
リスク管理の視点から言えば、教育委員会は断定的なことを言えないので、このような回答になるわけです。
では、『越境』をさせたい場合にはどうするか。
教育委員会に確認する以外に、地域の情報を集めることをオススメします。
できる限り、“生の声”を集めたいところです。
具体的には、「実際に『越境』している生徒が(どれくらい)いるか」「行かせたい小学校と最寄りの小学校の生徒数や入学者数」「教育委員会の“厳しさ”のレベルについて」「近隣でのマンション建築計画」「宅地分譲・開発」・・・。
そんな情報を集めていきたいです。
それらを総合的に判断して、最後は“当事者”に委ねられます。
教育委員会も不動産業者も、責任までは取れませんので・・・。
もし、“通わせたい学校(公立)”がある場合には、是非、こういった話を参考に、準備をしてみてはいかがでしょうか。
(終わり)