「テレビはなんで最初から再生されないの?」

これは今の子供たち(ここではYouTube世代と呼ぶ)が持つ感覚らしい。

かく言う我が子もYouTube世代。テレビを見るよりYouTubeやAmazon Primeの動画を見ることのほうが多い。

テレビ番組は朝から晩までプログラムがあらかじめ決まっていて、リアルタイムで見るにはその時間にテレビの前に座っていなければならない。

全日制の学校の授業も、あらかじめ時間割が決まっていて、その授業を受けるにはその時間に席に座っていなければならない。

「テレビ番組」⇄「全日制の学校」

と例えるなら、

「YouTube」⇄「通信制の学校、スタディサプリなどのオンライン学習」

となるだろう。

決まった時間席に座っていなくても、同等の成果を得られるのであれば、後者を選ぶYouTube世代は自然と増えるのはもはや時代の流れ。

現に通信制を併設している勤務校では、中学卒業のタイミングで直接入学してくる生徒が年々増えている。つまり、一昔前の「ドロップアウト組」が減っている。

N高校の躍進を見ても、その裏付けは十分だ。

ただし、オンライン学習の欠点は、伴走者が付きにくいこと。

教育の環境格差の解消には大きく貢献できるが、学習意欲の格差をますます広げる危険もある。

「地理的・経済的格差」から「学習意欲格差」へと変化し、その格差は地域間ではなく親の教育環境への依存が大きくなるだろう。

私の個人的な予想であるが、10年後や20年後は、学力や学習意欲の高い生徒は通信制を、それが低い人たちは全日制で職業訓練を受けるようになると思う。

先進的な学校は既存のシステムの中に通信制を取り入れるようになり、全日制は淘汰されていく

なぜならYouTube世代は「頭出し」「倍速」「好きなコンテンツ」を授業に求めるようになるからだ。