おしゃべりイタリアーノ!! -25ページ目

non finisce così...

経済格差のデモの話から、
昨日は、一般的な会社員の給料の話でしたが、
多分、日本の皆さんは「ヘェ~大変やなぁ~イタリア」
って思われたと思います… が、
これだけじゃないですよ。



日本でも、正社員としての就職は難しい不景気で、
就職浪人してる若者も多いと聞きますが、
イタリアの現状を聞いたら、「うちらマシかも?」って思うんじゃないかな?



例えば、昨日話した様な会社員も人によっては、安心してられないんです。
例えば、ある会社で一年契約してもらって働きました。
その次の年、そのまま更新かと思えば、そうトントンとはいかない。
日本だったら、多分契約更新されなかったら、その会社では働かないと思うんですけど、
イタリアでは、そのまま働きに行く人が結構います。
給料はもらえなくても、次の機会に契約更新してもらえることを願いながら。
で、次の機会で更新されました。で、また次はタダで…みたいな。



完全に、ええように使われてると思うんですけど、
それでも、何もないよりマシってな感じですかね。



例えば、学校の先生になりたいとするでしょ。
日本でも公務員は難しいけど、
まだ、誰もが挑戦するチャンスはある。



ところがイタリアは、都市にもよるんですが、
教員免許をとるコース自体が何年も閉鎖されていたりします。
教員免許を既に持ってる人が、学校で教師として働くポストを待っているんですが、
それも、イオ達が住んでいる地方では、1~3のレベルすべてがパンク状態で、
その為に、教員免許をとるコース自体が何年も閉鎖されています。
要は、挑戦したい人が機会も与えられないのが現状です。



イタリアは、国民年金じゃなくて、働く人が納めていく年金なんですが、
今のお年寄りに払う年金もないのが、イタリアの今の経済なので、
60過ぎて定年したい人が、まだまだ働き続けないといけない。



だから、若い人にも仕事のポストが回ってこないんですね。



最近お友達のお父さんが60歳を目前に、いきなり会社を解雇されてしまった。
そんな60歳目前の人に、次の仕事があると思いますか?
ないですよね。ということで、このお友達のお父さんは,
あと数年で、もらえるはずだった年金がガクンと減る上、いつもらえるかもわからない。
勤労年数が足りないから。ってなんじゃそら!!



そのお友達のお母さんは、このお友達が将来、
年金をもらえる時代なんて来ないだろうと、
今から、息子の為に月々せめてものの50ユーロの貯金を始めたそうです。



日本は、安定した仕事がなくても、バイトの手段があるでしょ。
働いたからには、その働いた時間だけ絶対に給料がもらえるのが当たり前。
それが、当たり前じゃないのがイタリアなんです。



我が家のクライアントにだって、支払いを2年も待たされた経験あるもんね。
訴えたいけど、訴える方がその準備に、支払ってもらう額より多く費やし、
時間もまた何年もかかりと、損なんです。
それがわかってて、払わないんだろうけどね。
働いたからといって、給料が支払われるかどうかがヒヤヒヤなんです。



ほんま、なんでやねん!!
だから、皆が皆こんな状態だから、経済もそら悪循環するよ!!
コネがないと普通に生活するのも難しい。
デモに参加した人のインタビューで、ある人は、
月に1000ユーロ(10万円)稼ぐのが夢だって。
今はその半分を稼ぐらしい。そりゃ生活できないよね。



話し出したらキリがなく永遠に続くのでこれくらいにしないとね。
「自分はイタリアを愛してるのに、イタリアは自分を愛してくれない」
とか、若者の口からよく聞きます。
切ない言葉です。


だから、優秀なイタリア人は各分野でたくさんいるし、
Made in Italyはやっぱり誇らしいけど、
優秀な人はイタリアを出て、他の国でチャンスを探す人が多いのです。



イタリアの将来は暗いと思うよ。
でも、世界に誇る輝かしい歴史のあるイタリアです。
この現状をひっくり返してくれるヒーローが現れるかもしれないけどね。


non finisce così...
ノン フィニッシェ コシ。



おしゃべりイタリアーノ!!-26-10-2011





「このままじゃ終わらない」


といいよね。