娘が4歳の頃のハナシ。
恐ろしい程の安月給でカツカツの生活。
(まあ今でもそんなに変わらんけど)
給料前だと、スーパーの食料品売り場で何十分も悩んだ果てに、結局いつもの納豆に豆腐に卵、モヤシを選ぶ、といった調子だった。

そんなある日のこと、肉類が欲しくなり、苦し紛れに赤いウィンナーを選んだ事があった。
そのスーパーでは1番安いウィンナーだった。
その赤いウィンナーを、タコの形に切って炒めて、夕飯の食卓に乗せた。
娘が喜ぶ顔を期待して。

卵ともやしの炒めものに、野菜の浅漬けといった地味な色のおかずの中の不自然な赤いタコさんウィンナー。

娘が一言呟いた。
「人間てたまにこんな体に悪いのを食べたくなる時があるんよね…」
4歳の、娘が呟いた。

私が子供の頃、おでんの中には赤いウィンナーが入っていた。
おでんのダシと結構合っていて、私はそれが好きだった。

私が子供の頃、当時人気だった剣道マンガのキャラクターのソーセージが流行っていた。
そのソーセージに入っていた添加物は、のちに発がん性があることがわかった。

2000年代に入るまで、がんは3人に1人がかかる時代と言われていた。
2000年代に入った辺りから、がんは2人に1人がかかる時代と言われるようになった。

あと何年か経ったら、がんは子供から大人まで誰でもかかるのが当たり前と言われるようになるのかも知れない。

アメリカではがんは減ってきているのに、日本だけがんが増え続けている。

そのうち日本人は、
「そういえば居たね。優しくて礼儀正しかったあの民族。」

「他の国の面倒ばかり見て、自分たちの事を大切にしなかったんだよね。」

等と懐かしまれ、
他の国の民族の記憶の中でだけ生き続ける民族になっているのかも知れない。