最近は、
人間というものが、知れば知るほど教えたくなり、饒舌なまでに語りたがる動物なのだ、ということを日々実感している。
そして教える側が語れば語るほど、教えられる側の心が閉ざされていくことも実感する。
もちろんこれを書いている私は、教えられる側の人間の立場である。
何せ、ひょんな事からご縁のあった、未体験ゾーンの業界の仕事なのであるから。
大量の専門用語。
外国人労働者に合わせた英文メール。
複雑なルールと手順。
爆発寸前の脳。
規則でがんじがらめの言わば「汚れ仕事」を引き受ける一方、かたや社員権をたてに税逃れで一人勝ちの外国人株主と役員。
歯を食いしばり耐えつつ、時折皮肉と毒吐きと居ない人間の陰口でガス抜きする下々の日本人社員。
でもみんながそうやってガス抜きしたくなる気持ちは、よくわかる。
みんな風邪ひいたって肺炎おこしたって、休まず本当に頑張っている。
割に合わない労働対価で。
もちろんそれを強いているのは、高級官僚をも含めた上の人間達だ。
だからまだもうちょっとまともなうちに、せめて冒頭の事だけは自戒をこめて記憶しておこうと思う。
何せ外資に買われて尚、欧米化の傾向をいまだに礼賛している企業にいるのだから、いつ私も崩壊するかわからない。
これは亡国の企業そのものだ。
この国に、いったいあといくつぐらいこのような企業があるのだろうか。
生き残れる保証なんてどこにもない。
ライオン首相は本当にこの国を売ってしまったんだな、と思う。
そうして弱ったところに、また次の黒船だ。
いつまでこの国は、市場原理主義を押し付けるためにやってきた黒船に迎合し、搾取され続けなければならないのだろう。
たった今、日本人の矜持を持って海を渡った戦士達が、理不尽な一部の壊し屋ビジネスの手先の攻撃に散ったというのに。
そんなこんなで、ただ今とある大企業にて、組織と、そこで働く人間の行動心理について観察を続けているのである。
理不尽で、効果的でもなんでもない西欧流をなぞっているだけにしか見えない企業だ。
自分のような者など、真っ先に物価上昇の犠牲者となるのだろう。
「貧乏人は麦を食え」
この国を統べる者の本音は、今も昔も変わらない。