--阿古夜どのを好きか?

好きじゃ

--あれはふつうの女子とわけがちがうぞ。竜と語り、風と話し、神と心通わせる女子だぞ


知っておる。木や鳥とも話をする。

阿古夜がどのような女子でもよい。わしにとってはただのいとしい女子にかわりはない。


--阿古夜どのをそのように思える男はそなただけであろうな

あの女は人間ではないかもしれぬ。
ひとでないものに恋をすればいずれどちらかが死なねばならんときく。

そなた、それでもよいのか?


死とはなんじゃ?
肉体が失くなることか?
阿古夜は肉体のないものとも話をするぞ。

わしは阿古夜の姿だけがいとしいのではない。
まこと恋しゅうてならんのはその魂じゃ。
たとえ阿古夜がどのような姿をしておろうとわしはきっと惹かれてならぬ

死ねば…
恋が終わるとは思わぬ…





美内すずえ「ガラスの仮面」(白泉社)より