最近テレビを見ても、ガンや成人病などの
様々な病気の原因のひとつに必ずあがってくるのが「ストレス」です。
これだけストレスが病気の原因のほとんどを占めているのを聞くと、
なんだか「本当かな?」って思えてきますね。
「医者が病気の原因がよく分からないから、
とりあえずストレスって言って逃げてるんじゃないか」って。
しかし、実はストレスはアトピーやアレルギーの原因になる
という科学的根拠があるのです。
よく興奮すると「アドレナリンが出る」ということを聞くと思うのですが、
ストレスがたまるとこの「アドレナリン」が
交感神経というところからたくさん出るそうです。
一方、免疫をつかさどるリンパ球(白血球の一種)の中には
T細胞という細胞があって、このT細胞がさらに
Th1細胞とTh2細胞の2つに分かれています。
このうちのTh2細胞が、アレルゲンに反応してアレルギーを引き起こす
IgE抗体という物質を作る指示を出します。
それとは逆に、Th1細胞はIgE抗体を作られるのを抑える働きがあります。
アドレナリンは、このTh1細胞の働きを抑えてしまうため、
Th2細胞の働きのほうが強くなって、IgE抗体が体の中にたくさん作られてしまうんです。
だから、ストレスをずっと発散できないでいると、
どんどんIgE抗体が増えてしまって、アレルギー体質になってしまうとのことです。
これがアレルギーになる原因のひとつだったのです。
「じゃあ、ストレスを溜めないようにすれば、アトピーは良くなるの?」
実は、一旦アトピーを発症してしまうと、ストレスをなくすと、
今度は余計に炎症やかゆみがひどくなってしまうんです。
その理由は、また次回ブログで。
参考文献:
矢田純一(2001) 『アレルギーとアトピー』 裳華房(ポピュラーサイエンス231)162p。