肌がアルカリ側に傾くとアトピーがひどくなる? | 32歳で”肌年齢24歳”美肌になる方法

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元アトピー肌、32歳にして”肌年齢24歳”インナーコントロール開発者のお肌について真面目に考えるブログ

健康なお肌は、弱酸性に保たれています。

しかし、アトピー性皮膚炎の肌は、弱酸性からアルカリ側に傾いています。

肌がアルカリ側に傾くと、次のような様々な症状が現れます。


1.皮膚バリア機能の低下

肌がアルカリに傾くと、セラミドを作る酵素が分解され、

バリア機能が低下します。

バリア機能が低下すると肌が乾燥して痒みが強くなります。

2.炎症が強くなる

アルカリ化が進むと、アレルギー反応が強くなり、

痒みや炎症も強くなります。

3.黄色ブドウ球菌の繁殖

アルカリに傾くと、「抗菌ペプチド」という肌で作られる抗菌物質が減り、

黄色ブドウ球菌が増加します。

黄色ブドウ球菌はアレルゲンになるので、痒みが強くなります。

4.皮がポロポロむける

角質細胞は接着剤の役割をするタンパク質によって互いにくっついています。

肌がアルカリ化は、この接着剤を分解する酵素を活性化させます。

すると、角質がポロポロとむけてしまいます。


これらはまさにアトピーの症状ですね。

では、なぜ肌がアルカリ性に傾くのでしょうか。



その原因は「皮膚バリアの低下」と「炎症」です。

メカニズムは完全に解明されていませんが、

スキンケアで皮膚のバリア機能を修復したり、

薬で炎症を抑えたりすると、皮膚もアルカリ側から弱酸性に傾いていきます。

また、弱酸性の化粧品などで、直接肌を弱酸性に傾けることも、

有効であるとの報告もあります。



「でもアルカリに傾くから、バリアが低下して炎症が起きるんじゃないの?」

「アルカリ化とバリア低下のどっちが先なの?」

卵とにわとりのようで、どちらが先とは正確には言えないのですが

「バリア低下と炎症によって皮膚がアルカリに傾くと、

よりバリアが低下して炎症も強くなる」

という悪循環におちいってしまうということは確かなようです。

なので、この悪循環におちいらないようにするためには、

スキンケアによって皮膚のバリアを修復し、炎症を抑え、

肌を弱酸性に保つことが重要と言えるのです。


参考文献:
波多野豊「アトピー性皮膚炎の病態と治療 アップデート II.アトピー性皮膚炎の新しい病因論~バリア機能異常の意義付け~」『アレルギー・免疫』22-29, Vol.18, No10, 2011
波多野豊「皮膚のバリア機能とアトピー性皮膚炎 ―Th2・角層pHの重要性およびフィラグリン異常との関係―」J Environ Dermatol Cutan Allergol, 5(1):11-18, 2011