その後、アメリカで「アロマコロジー」という言葉が提唱されましたが、こちらはエッセンシャルオイルの香りによる心理的な作用を目的としています。
アトピーケアのためにエッセンシャルオイルを配合した化粧品を肌に塗るというのは、本来のアロマセラピーに近い方法になります。
それに対して、アロマコロジー的な方法として、エッセンシャルオイルの香りを嗅ぐことでアトピーの症状を鎮める研究なども行われています。
たとえば、バレリアン(セイヨウカノコソウ)のエッセンシャルオイルには強い鎮静作用があるのですが、アトピー患者に、このバレリアンの香りを夜寝るときに嗅いでもらう実験をした報告があります。
それによると、バレリアンを使用してから2週間後位から、明らかに角質層の水分量が増え、皮膚のかゆみが減ったということです。
香りによる鎮静作用でかゆみが減るというのは理屈として分かりやすいのですが、角質水分量が増えて乾燥がおさまるのがどのような仕組みなのかは、まだはっきりと解明されていないようです。
バレリアンのエッセンシャルオイルは珍しいので手に入らない場合がありますが、他に強い鎮静作用を持つエッセンシャルオイルとしては、ラベンダーアングスティフォリア(真正ラベンダー)やクラリセージなどがあります。
スキンケアだけでは、なかなか痒みがしずまらないという方は、「上記のエッセンシャルオイルのいずれかを、夜寝る前にティッシュに2,3滴たらして枕元に置いて寝る」などの方法を試してみてはいかがでしょうか。