先日、お客様から、
「御社はナノより小さいインナー型って言うけど、1,000円くらいのものでもナノより小さいピコアミノ酸ってシャンプーのCMでやってるじゃないの」
というお言葉を頂きました。
ここで、「ピコアミノ酸」について説明したいと思います
「ナノ」「ピコ」は、もちろんメートルに対することで、1ナノメートル=1/1000000000メートル、1ピコメートル=1/1000000000000メートルです。
アミノ酸にもいろいろ種類があり、タンパク質の構成単位となるアミノ酸は20種類あります。シャンプーのCMで言っている「ピコアミノ酸」とは、ホームページによると、リシンの塩酸(HCl)塩のことでした。リシン分子の構造は下図のとおりです。」
α炭素にアミノ基(-NH2)とカルボキシル基(-COOH)が付いているところ(図の左端の部分)は、タンパク質の構成単位となる20種のアミノ酸のどれにも共通の部分です。ここのアミノ基とカルボキシル基の間の距離は、大体0.3ナノメートル(300ピコメートル)程度です。
リシンの特徴は、α炭素に -(CH2)4NH2(炭素原子が4個連なった先にアミノ基が付いている)という側鎖が付いていることです。この部分は、回転可能な結合によって連結しているため、くにゃくにゃと動くことができます。そのため、α炭素から先端のアミノ基までの長さを一概に決めることはできませんが、大体0.5~0.7ナノメートル程度です。どんなにピンと伸ばしても、1ナノメートルは下回ります。
したがって、リシンを「ピコアミノ酸」というキャッチコピーで呼んでも間違いではありません。問題は、アミノ酸の1分子のサイズは、このリシンも含めて、ほとんど1ナノメートルを下回るということです。
アミノ酸が「ピコアミノ酸」なのは当たり前のお話です
シャンプーのCMで言っている「ピコアミノ酸」リシンが1分子ごとにきっちり分離して存在するような独自の技術を開発したというお話ではありませんでした。