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べこ連れて行けねえ

新聞記事より

べこ連れて行けねえ
          「計画避難」の福島・飯館村
  説明なし不安だらけ

福島第1原発から北西30~50㌔圏にほぼ入る福島県飯館村。放射線量の数値が高く、政府は「計画的避難区域」に指定する方針で、全村避難が求められている。「どこに行くんだ」 「べこ(牛)もー緒か」。

村では酪農業などの補償をめぐり議論が続く。避難開始は1カ月後がめど。「スローライフ」を掲げる人口約6千人の静かな村を未曽有の事態が揺さぶる。



国と話し合ってきたが、全村避難と言われた。今後について皆さんと話し合いたい」東日本大震災から1カ月の11日。苦しげな表情を浮かべ、菅野典雄村長が緊急会合で説明した。計画的避難区域という耳慣れない言葉に、居並ぶ村議や住民らは戸惑いながらも、「全村避難」に大きな衝撃を受けた。断るべきだ」 「避難生活はいつまでなのか、わかんねえべ」。

言葉を荒らげる村議たち。「原発がどうなるか分からん。どうしてこれまで避難させなかったんだ」。菅野村長をなじる議員も。

佐藤長平議長は「まず国から補償の言質を取るべきだ。話はそれから」。しかし避難まで1カ月。菅野村長は枝野幸男官房長官ら政府側から直接、説明を受けることを要望。酪農業や生活について補償を確約させ、何とか避難を2~3カ月先に延ばしたい考えだ。

主要産業は酪農。阿武隈山系の高原で育った和牛は高級牛肉「飯館牛」のブランドで知られる。避難区域となれば、村内の牛約2500頭をどうするかが最大の課題だ。

「何の説明もねえし、不安だらけ」と頭を抱えるのは酪農家の佐藤隆男さん(62)。18歳の時に5頭からスタート、今では一酪農家としては村最多の600頭を飼育する。「避難に、べこ連れて行けねえ。残っても値段はがた落ちだべ」

原発事故後、競り市に出しても福島産牛は半値から6割程度の値段しか付かない。「牛は市場に出すまで時間がかかり、餌代など経費もかかる。悲惨だ」と村職員勺殺処分か市場で安く売ってしまうか。栃木県の農場に引き取ってもらう案も出ている。

牛舎の中で、牛を横に佐藤さんの次男豊洋さん(29)は「一緒に逃げることはできねえだろうが、残してもいけね。愛着もあるし」と思いを打ち明けた。

菅野村長は「村からそう遠くないところで避難先を」と村民の気持ちを代弁した。



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