たまにネットで「味あわせる」とか「味合わせる」というのを見かける。間違ってると思う。
「帰れる」が「ら抜き言葉」なのかどうかわからなくなってしまう人って結構いて、Yahoo!知恵袋にも複数質問が出ていたりする。言ったり書いたりするときに、「『帰れる』で合ってるんだっけ?これってら抜きになっちゃう?『帰られる』?あれ?」みたいな感じなんだと思う。「味あわせる」とか「味合わせる」と書いてる人も、心のどこかでは「これで合ってるんだっけ?なんか変な気がするけど…」と思ってるのかもしれない。
「帰れる」が「ら抜き」かどうか考えてしまった時も、「味わわせる」と「味あわせる」のどちらが正しいのかわからなくなってしまった時も、同じルールで変化する他の動詞を挙げて、それを変化させてみると良いと思う。英語やドイツ語などのヨーロッパ系の言語は不規則動詞が大量にあるけど、それに比べると日本語の動詞は変化の仕方に例外が非常に少ないので、同じルールの動詞を変化させてみれば、正しい変化がわかることが多い。
「味わわせる」なのか「味あわせる」なのかがわからなくなってしまう人も、この動詞の終止形(辞書に載っている形。日本語教育で言うところの「辞書形」)は何ですかと聞かれたら、「味わう」と答えられると思う。ここで「味あう」と言う人がいると上記の理論が破綻するんだけど、多分「味わう」のところは間違えない…よね…?
「味わう」という形を思い出すことができたら、次は、これと同じルールで変化する動詞をさがす。この場合は「~う」の動詞をいくつか思い出すことができればOK。「買う」「言う」「会う」あたりはすぐに出ると思う。これを「~せる」の形にしてみる。
買う→買わせる
言う→言わせる
会う→会わせる
こんな感じ。ここで迷う人はほとんどいないと思う。この3つを見れば、「~う→~わせる」のルールになっているのがわかる。ということは、
味わう→味わわせる
になる。こうしてみるとシンプルで、「味あわせる」の「あ」ってどこから来たんだ?と感じる人が多いのではないかな。しかも「味合わせる」とか漢字を使ってる例も結構見かけるけど、この場合終止形(辞書形)は「味合う」ってことになってしまい、さすがに違和感があると思う。
「買う」「言う」「会う」の時には迷わないのに、どうして「味わう」の時だけ迷ってしまうのかというと、多分、「~せる」の形にした時に「わわ」と同じ音が続くからではないかと思う。それで、1つ目の「わ」を、音が近い「あ」に変えてしまい、そうすると「会わせる(合わせる)」と同じになるからこれでいいような気がして「味あわせる」「味合わせる」となってしまうのではないかな。
こんな風に、ただルールの通りに変化させればいいのに、同じ音が続いたことで違和感を持ってしまい、間違った形にしてしまう例はたまにある…と思う…今パッと例が出てこないけど、似たようなのが他にもあったような気がする。思い出したら追記しておく。
ちなみに、「帰れる」が「ら抜き」かどうかって話は、以前別の記事に書いたと思う。結論から言うと、「帰れる」は「ら抜き」ではなく、これで正しい。これも、同じルールで変化する動詞と比べてみればいいんだけど、「~う」で終わる動詞が全て五段活用であるのに対し、「~る」で終わる動詞は五段、上一段、下一段、カ変、サ変全てに存在しているので、まずはどの活用なのかを知らなければならない。「帰る→帰らない」とアの段の「ら」が出てくるので「帰る」は五段活用。「る」で終わる五段活用の動詞は、「切る」「取る」等がある。「切る→切れる」「取る→取れる」なので「帰る→帰れる」でOK。