おとうさん。おはよう。

  きょうから、文月。七月ですよ。一年の、折り返しが、始まりました。

   始まりの日と、いうのに。あち、こち。大雨もようで、大変。

   田舎も、大雨の、ようで。心配だよね。おとうさん。

  今年は。息子たちが、頑張ってくれて。

   田舎の。離れの、スレート瓦。ペンキ塗り、してくれたしね。

  母屋の、屋根に。倒れそうだった、隣の木も。

   みんなで。なんとか、したんだものね。おとうさん。

  自分で、いうのも。なんですが。

   頑張りましたよね。わたしたち。ねえ、おとうさん。

  いま。できることと、いったら。

  『無事。この、大雨を。やり過ごして、くれますように。』って。

   祈るだけしか、ありませんもの。

  もし、田舎の、家に。なにかあったら。

   ご先祖様、ごめんなさい。だよね。おとうさん。

  どんなに、頑張っても。できることには。限りが、あるってね。

   自然の、力には。あらがえ、ないんだものね。

  自然の、中に。生きる物と、いえば。

   白い、ツユクサ。あの、『トキワツユクサ』

   外来種として。他の、草花の。居場所を、とってしまうから。

   なんとか、植物にも。指定されて、いるそうだけど。

    ほんと。たくましいんだよ。おとうさん。

   切り花の、中に。はいって、いたんだけど。いけて、おいたら。

    花瓶の、中で。根を、出して。いるんだよね。

   生きようと、思えば。どんな。ことを、しても。生き抜くってね。

    たとえ、花瓶の、中でもね。

  田舎の、家だって。なんだ、かんだと。いいながら。

   メンテナンスを、しながらも。ゆうに。百年は、越えているんだよね。

  だから、いつも。おとうさんと、二人で。話してたように。

   あの、家だって。なにが、あろうと。

   この世に。残り続ける、ものならば。

    これからも。残って、いくだろうし。

    あかんかったら。それまでよってね。

   『なるように、しか。ならん。』てね。

    それを。受け入れて、いくことが。大切だってね。

  おとうさんが、言ってたように。

   肩に、力を、いれず。自分に。できる、範囲で。無理せんように。

    守って、いくしか。ないんだってね。

     ねえ。おとうさん。