友達が、電話でね。   

   「一緒に居たら、なんやかんやとね。」

   「そやけど。いんようになれば。・・・・」

   「やっぱり、子どもとは。ちがうんよ。」いうてね。

   ご主人の、思い出ばなしを。するんだよ。おとうさん。

  そして。

   「わたしなあ。動物、苦手なんやのに。カメ、おいてったんよ。」

   「近所でもらってきて。おとうさん。」

   「衣装ケースに入れて。こうとったんやけど。」

   「私は。いっこも、世話せんかったんやけど。」

   「おとうさん。いんようになって。」

   「分からんなりに。今、世話しとるんよ。」いうて。

  いうから。

   「良かったなあ。」

   「うちの、インコと。おんなじやわ。」

   「多分、ご主人。あんたが、寂しくないように。」

   「そう思うて。その、カメさん。置いていったんやわ。」いうて。

   我が家の話を、したんだよ。おとさん。

  そしたら。

   「インコは、話すやろ。そやけど、カメは。・・・・」いうからね。

   「よんだら。来るやろ。」いうたら。

   「そうやねえ。」

   「うちの、おとうさん。」

   「おい、なんとか。いうてたから。」

   「同じように、呼んだら。よってくるわ。」って。

   笑い泣きですよ。おとうさん。

  夫婦の。お互いに対する、優しさって。

   こういうことかも、しれないよねえ。おとうさん。

   「お前のために。・・・・・」

   「あんたの、ために。・・・・」いうて。

   大げさに。口に出しては、言わないんだけど。

  さりげなく。後に残していく。相手にたいしての、思いやり。

   長年連れ添うと、いうことは。こういうことなのかも、しれませんよね。

     ねえ、おとうさん。