おとうさん。おはよう。

  あさから。『ピッピッピピピ」と。ヒヨドリ達の、うるさいこと。

   そろそろ。子育ての、季節なんだよね。

  我が家と。お隣との間の、おどり場。

   どうも。ヒヨドリの。渡りの、場所に。なって、いるようでね。

   前の、歩道の木から。マンションの、植え込みに。渡っていて。

   時々。我が家の、ベランダで。休んで、いくんだよね。

  「おとうさん。ベランダに。また、きたよ。」って、いうと。

  「そこの、間は。ヒヨドリが、渡りに、つこうとるんじゃ。」

  「うちの、前の。歩道の木と。マンションの、あの木じゃ。」いうて。

   おとうさん。教えて、くれたこと、あったよね。

  「ヒヨドリは。よう。人に、慣れるんじゃ。」

  「むかしは、なあ。」

  「子飼いにして。あそんどった。いう、話も。あるぐらい、じゃけえ。」

  「おまえが。ちょうど。そこに、ツバキを、植えとるし。」

  「野菜を。作ったりも、することも、あるしのう。」

  「エサを、くれる。ぐらいに。勘違い、しとるんじゃ。」

  「おまえは。追い払わんから、なあ。」って。

   おとうさん。いってた、けどね。

  ツバキも、ちいさくなり。今年は。野菜も。植えて、いないんだよね。

  それでも。

  「おはようさん。」て。義理堅く。やって、来てますよ。おとうさん。

  もしかしたら。おとうさんが、

  「行って、やって、くれんか。」って。

   言ったのかも、しれないよねえ。

   わたしが。寂しがってたら、いけないからってね。

  そうそう。仲間では、ないんだけど。

   シジュウカラも。時々、やってきてね。

   愛想を、ふりまいて。帰ってますよ。

  ついつい。見てるとね。洗たく物、干すの。遅くなるんだ、けどね。

   窓を、開けて。ビックリさすのも。かわいそうだしね。

    ねえ。おとうさん。