いつ。植えたんで、しょうかねえ。あの、アジサイ。

   あんなに。色んな、種類が。あるなんて。

   いい。目のほようが、できましたよ。おとうさん。

  久しぶりに。きょうは。ぐるりと、一回り。

   住宅の、周りを。散歩しましたよ。

   先月。住宅の、草取りを。しなかったでしょう。しっかり、生えてますよ。

   でもね。雑草と、いうなかれ。初夏の風に、そよそよと。

    あれは、あれで。きれいだよね。おとうさん。

  きょうは。スーパーで。子持ち鮎が、売って、ましたよ。おとうさん。

   鮎と、いえば。我が家の、恒例行事だよね。おとうさん。

  毎年。近くの、山まで。買いに、行って。いたんだものね。生き鮎を。

   「ほら、買うて、きたぞ。」って。

   嬉しそうな、顔で。大きな、袋を。担いで、かえって。きてたんだよね。

   「空気、いっぱい。入れて、もろうたから。」

   「見てみ。元気じゃろう。」いうてね。おとうさん。

   それから。

   「さあ、これから。つかみどりじゃ。」

   「たらいに。水を、はって。」いうて。

   その中に。鮎を、放して。

    息子たちに。つかみどり、させて。いたんだよね。

   「川魚は。けんが、ないけえ。怪我は、せん。」いうてね。

   オムツが、とれてない。次男でも。

    つかむことが。できたんだもの、ねえ。おとうさん。

  だんだん、息子たちも。大きくなって。

   つかみ取りより。食べることが、専門になって。しまったん、だけどね。

  相変わらず。この、季節になると。毎年。

   「鮎。買いに、行くか。」いうてね。

   おとうさんと、出かけて、いたよねえ。おとうさん。

  おとうさんは、塩焼きが。好きでねえ。

   「鮎は。この、はらわたが。ええんじゃ。」

   「川の。けっこな、藻しか。くわんけえ。」いうてね。

   串に、刺して。塩焼きに、してあげると。

    あたまから。まるかぶりに、していたよねえ。おとうさんは。

  ことしも。また。やって、きましたよ。

   我が家の。鮎の、季節がね。おとうさん。

  息子たちが、帰ってきたら。買って、来ましょうかねえ。鮎を。

   そして。むかしを、思いだして。タライに、放してね。

   つかみどりの、後は。塩焼きに、してと。

  やっぱり、この季節。

   お酒より。ビールですかねえ。おとうさんなら。

     ねえ。おとうさん。