おとうさん。おはよう。

  またまた、地震だよ。大きな、被害に、なりませんように。祈りたいよねえ。

  わたしもね。田舎から。こっちに、来た時は。

   夜は。パジャマ、だったのに。

   いまでは。いつでも。外に、出れるように。

   いつのまにか。夜は、トレーナーに。なって、しまったよ。

  だって、ねえ、おとうさん。

   マンションなんて。

    自分の、家の。ベランダだと、言っても。外と、おんなじ。

   あわてて。ベランダに、でたら。外から、丸見えだもの。

    パジャマでは。困るものね。おとうさん。

  そういえば。おとうさん。

   わたしも。今は。ジイパンや。ほかの、パンツ類で。

    どこでも。ほいほい、出かけるんだけど。 

  むかしは。『お出かけします。』と、言えば。

   『お出かけ服』と、いうのが、あってね。

  親も、子も。日頃とは。ちょっと、ちがって。

   おめかしをして、出かけて、いたんだよね。

  田舎に帰る時は、もちろん。特に。

   「なんじゃ。その格好で、帰って、きてから。」って。

   いわれるから。気をつけて、いたし。

  遠出する時は、もちろんだけど。

   動物園や、遊園地に、行く時だって。

   いつもと、違う。お出かけ服を、着て。でかけて、いたんだよねえ。

  そしてね。でかけた、先では。必ず。写真を、とって。いたんだよね。

   「ちょっと、きいつけて。食べて。アイスクリーム。」

   「ああっ・・・」て。言ってるまには。

   せっかくの。新しい、服は。ベトベトに、なってね。

  子どもだもの、汚すのは。あたりまえ、なんだけど。

   「おとうさん。早く。写真、撮っといて。」って。

   親も、子も、大変だったん、だよね。あのころは。

    思い、出せば。笑えるんだ、けどね。ねえ、おとうさん。 

  『お出かけ服』は。あまり、傷まない。からかな。

   何枚か。タンスの、中に、あるんだよ。子供服がねえ。

    物持ちの、いい。わたし、らしいでしょう。おとうさん。

   時々、出して。虫干し、しながら。

    『こんな、小さな服を、きてたんだ。』

    『あの時。おとうさんは。…』ってね。

    思い出しては。楽しんで、ますけどね。

   そろそろ、今年も。服の、入れ替えですよ。

    小さな、『お出かけ服』を、見ながら。

     おとうさん、二人で、思い出ばなしでも。しましょうか。

       ねえ。おとうさん。