おとうさん。おはよう。

  きょうは、『なんの日』って。とわれれば。

   おとうさんと、私たち親子の。戦いが、始まった日、だよねえ。

   思っても、いなかった。辛い、つらい。

    日々の、始まりの日だよね。おとうさん。

   いろんなこと、思い出すと。悔やむこと。だらけ、なんだけどね。

  あの日々は。私たち。親子に、とっては。

   これから、先。何十年分の。思い出に、なるような。

   濃い、日々でも。あったんだよね。おとうさん。

  のうてんきな。我が家の、住人は。

  『あしたが、あるさ。』って。

   あしたが。あることだけを、信じて、疑わずにね。

  あんな、中でも。どこかしこに。笑いが、あったよねえ。おとうさん。

  おとうさんの、無茶ぶりに。文句ひとつ、言わず。したがって。

  まあ、時には。

   「なんや。おとん。こんな、無茶、いうて。」って。

   正直。愚痴った、ことも。あるんだけどね。おとうさん。

  もし。あの日々が、なかったら。

   照れ屋の、おとうさんは。長男と。

    ゆっくり、話すことも。なかったかも、しれないし。

   まだまだと、思っていた。二人の、息子が。立派に、育っていて。

    そして。どんなに、孝行息子だったか。

   気付かな、かったかも。しれないもんね。

  なによりも。この、わたしですよ。おとうさん。

   息子たちに。助けられる、毎日でね。

    二人の、たくましさに、気づかされ。

  それに、ねえ。おとうさん。おとうさんの、優しさですよ。

   もし、あのまま。平々凡々の、日々ならば。

   わたしは。おとうさんの、優しさに。気づかずに。

   おとうさんが、してくれることを。当たり前と、思って。

    一生を。過ごして、いたかも。しれないしね。おとうさん。

   長い、夫婦生活の、中で。空気の、ような。存在に、なっていてね。

    おとうさんの、ありがたさも。優しさも。

    何もかもが。あたりまえってね。

  我が家に、とって。

   たいへんな、日々の。幕開けの、日でも。あったん、だけど。

   お互いが、あらためて。

    『夫婦って。家族って。愛することって。・・・』ってね。

   大事なものと。向き合える。日々の。

    幕開けの、日でも。あったんだよね。 

      ねえ。おとうさん。