おとうさん。きょうね。

  あの。元。会長さんの、奥さんと。立ち話じゃ、なくて。大ばなしだよ。

  あんなことも。あるんだよね。おとうさん。

  おとうさんの、思い出を。次から、次に。

  「あんたの、ご主人には。本当に、ようして、もろたんよ。」

  「えらそうに、せんと。」

  「よう、動く。人やったから。」と。

   おとうさんの、こと。いっぱい。ほめて、くれたんだよ。おとうさん。

   有難いよねえ。今でも。あんなに、思って。くれて、いるんだものね。

  そして。ご自分の、ご主人の。亡くなった、日のことの。話に、なって。

  「なんで、あなたに。こんな、はなしまで。」

  「うちの、息子や。娘の、話までして。ごめんなさい。」いうてね。

  「こんなに、話しやすい、人やのに。」

  「なんで、ご主人は。あんたを。飲み会に。入れん、かったんやろ。」って。

   いうからね。

  「おとうさんは。おとうさん、やから。」いうたら。

  「おとうさん。自由に、生きたんやねえ。」

  「あんたに。よう、してもろたと。いうことや。」

  「田舎にも。帰っとったんや。いうて。」

  「よう、話してたもん。」て、いうんだよ。

  そして。

  「入ってよ。会に。」って。いうんだよ。

  「わたしは。まったく、飲めないもんで。」って、いったら。

  「今は。お茶会も。しとるんよ。」いうてね。

  「これからも。私が。住宅内を、歩いていたら。」

  「声かけてや。気が、つかんかったら。肩、たたいてや。」

  「よう。忘れるように、なったけど。」

  「あんたの、顔は。しっかり、覚えたから。」いうてね。

  「今度の、お茶会が。楽しみやわ。」

  「あんたと。話を、したんやで。いうて。みんなに、言うわ。」

  「おたくの。ご主人の、話で。もりあがるで。」いうてね。

  帰って、いったんだよ。

   こんどの。お茶会で。どんな、話に、なるんだろうね。おとうさん。

  『人は。二度死ぬ。』ってね。よく、言われるじゃあ。ないですか。

   忘れ、去られた時が。ほんまの、死やてね。

  おとうさんは。まだまだ。なか、なか。死にそうに、ありませんよね。

   だってねえ、おとうさん。おとうさんは。今でも。

    あんなに。仲間たちの、こころの中に。生きて、いるんだものね。

      ねえ。おとうさん。