おとうさん。おはよう。

  このところ、よく降るよねえ。

  一雨ごとに。暖かくなって、行くとは。いうものの。

   やっぱり。晴れ間も、欲しいものだよね。

   「テルテル坊主さん。おねがいね。」ってね。

   ベランダの、窓に。ぶら下げましたよ。おとうさん。 

   「晴れたら、どこに、行こうかな。」ってね。

  そういえば、おとうさん。春に、なったら。

   お弁当もって。よく、行っていた。あの。岬の、公園。

    また。復活、するみたいですよ。おとうさん。

   おとうさんが。おとうさんに、なって。初めて。

    長男を、抱っこして。家族で、行ったのも。あの、公園。

   次男が、できて。四人で、行ったのも。あの公園だものね。

   「おとうさん。抱っこしたら。乗れるんやて。」言うたら。

   さすが、おとうさん。きらいな、ゼットコースターも。

   「おとうさんと、乗るか。」いうて。

    嬉しそうな、顔して。乗ってね。

   キリンに。ニンジン、食べさせようとして。

   「はよ。写真撮って、やれ。」いうて。

    写真が、撮りたいばかりに。近づきすぎて。

    あわや。息子の、顔を。キリンに。なめられそうに、なったりね。

    ハプニングの、連続。思いだしたら。きりが、ないよねえ。

  そういえば。車で行けば。楽なのに。

   「おとうさん。電車に、のろうよう。」って。いわれてね。

   電車好きの、長男の、為に。わざわざ。市内まで、行って。

   大周りして。あそこまで、行った、ことが、あったよねえ。

   帰りに、荷物は、あるし。二人は、寝てしまうしね。

   「せっかく、電車で、来とるのに。」って。

    眠りこけてる。息子たちを、見ながら。

     二人で、苦笑いを、したんだけどね。

    覚えてる、おとうさん。あの日、ふたりに、見せた。海だよ。

    車で、行ったら。見せられなかった。電車からの、海の景色だよ。

    「おとうさん。海、見えるで。」

    「みんな。後ろに。とんで、行っとるで。」いうて。

    あんなに、二人とも。喜んで、いたんだものね。おとうさん。

   毎年、行く度に。様変わりを、してね。

    子どもたちが。大きくなるに、つれて。公園も。年を、とっていって。

    私たちの、思い出の、品も。気が付くと。なくなって、いてね。

   ついに。公園も、なくなってと。思って、いたんだけどね。

    どんな、形でもいいから。復活、すれば。うれしいよねえ。おとうさん。

  だってねえ。おとうさん。

   おとうさんと、息子たちの。思い出が。いっぱい、つまっている。

    あそこは。そんな、場所なんだものね。

     ねえ。おとうさん。