おとうさん。おはよう。

  我が家の、息子。ほんとに、笑えるよ。

  なんでも、わたしより、自分たちの、方が。

   よく、分かっていると。思って、いるんだよ。おかしいでしょう。

  自分たちが、しっかり、しないとと。思って、いるのは。分かるんだけど。

   私の、方が。長く、生きて、いるんだよね。

   世の中の、常識って、ものは。よく知って、いるよねえ。

   だけど。今は。

   『こころの、ままに。生きたい。』と、思って、いるだけだよね。

  あの、式服は。

  「おとうさん。着物は、持ってるけど。あれは。特別の、ときだよ。」

  「若い時に、仕事してた時。つくったのは、あるけど。」

  「おとうさんの、付き合い先の、こともあるし。」いうてね。

   何年か、前に。買ったんだよね。

  そういえば、我が家の、息子たち。

   わたしが、式服を、着たの。めったに。見たこと、ないんだよね。

   田舎は、なにを、するのも。百人、二百人が、相手。

    それに。飲んだり、食べたり。だもの。

    わたしは。いつも、おさんどんで。走り回って、いたもんね。

  おとうさんの、時に。着なかったのは。

   いそいで。田舎に、向けて。行かなければ、ならなかったし。

   それ以上に。普段に、近い。感じで。いたかったんだよね。

   息子たちには。式服を。持たせて、帰ったけど。

   わたしは、あの時。『式服を、もって。』って。

    気分に。ならな、かったんだよね。

  そしたら。服を。持って、いないのかと。思った、ようだよね。

  「おかん。買うてやろか。」の、意味が、分かったよ。おとうさん。

  「どんなんや。写真、送って。」だよ。

   そして。見たら。

  「なんや。ええの、もっとるやん。」てね。

   だから。

  「志だけは。ありがたく、受け取るは。なんぼ。送って、くれるん。」

   いうたらね。

  「それは。なしや。」いうてね。大笑いだよね。

  ほんと。おかしいでしょう。おとうさん。

   たかが。服、一つの、ことなんだけど。

    みんなで、心配してくれて。ありがたい、ことですよ。

  こんど。また、息子たちには。

   「おとうさん。どうせ。スーパーで。買い物、するんよ。」

   「行って。荷物、もって。帰ってくるだけ。」

   「ちゃんと、洗たくして。破れてなければ。ええんよ。」ってね。

   いつも、おとうさんに、言ってたように。

   「着るものが、ないわけでは、ないんよ。」ってね。

     言わないと、いけないよね。 

      ねえ。おとうさん