おとうさん。この間、息子たちと、帰った時。

  たくさん。唐揚げ、作ったでしょう。

   次の日、「甘酢あんかけに、しようか。」って、言ったらね。

   「ユーリンチーか。」って。言うんだよね。

   肉を、素揚げすること、以外わね。同じような、ものなんだけどね。

  わたしの、料理は。そんな、大層な、ものじゃあ、なくて。

   ただの、残り物の。アレンジ料理。なんだよね。

   なんでも、あるもので。ですよね。おとうさん。

  きょう、買い物してたら。珍しい物。見つけ、ましたよ。おとうさん。

   『ずいき』ですよ。里芋の、茎を。干したものですよ。

   田舎では。お正月前に、たいてい。芋は、収穫するものね。

    その時。茎は、干してね。つかうんだよね。

   おとうさんは、炊き込みご飯が、すきだったよね。

    里芋と、『ずいき』をいれた。炊き込み、ご飯がね。

   「ダシは、イリコで。あっさり、たくんや。」

   「里芋が。飯と、いっしょに、なって。うまいんや。」いうてね。

   ほんと、あれこそ。田舎の。炊き込みご飯、だよね。

  それから。『ずいき』の、白あえですか。ねえ。おとうさん。

   そうそう、おとうさん。白あえには。点数、からかったよね。

   息子たちは。

    「うまい。うまい。」って、言って、くれるのに。

    おとうさんには。なかなか。ほめて、もらえずにね。

   そういえば。まだ、合格点は。もらって、なかったよねえ。おとうさん。

  きょうは、何とかデイと、いうこともあり。

   いい、木綿豆腐が。手ごろな、値段で。あったので。

   いつもは。絹豆腐を、買うんですが。

    きょうは。珍しく。買ったん、ですよ。木綿豆腐をね。

   『ずいき』も、あることだし。作って、みましょうか。おとうさん。

    あの、白あえをね。

    おとうさんに。合格点を、もらえるように。

     しっかり。豆腐の、水切りをして。

    「『ずいき』に。薄味、つけときや。」ってね。

     言われなくても、分かって、ますよ。おとうさん。

     作って、みますよね。今夜は、白あえを。

    おとうさんに。

     「まあまあや、なあ。」って。言って、もらえるように。

      美味しく、作るからね。

        ねえ。おとうさん。

 

 

 

 

     

 

 

 

 

   

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