おとうさん。おはよう。

  「この年に、なると。一日を、どう生きるか」って。話題で。

   きのうの、掃除の時。話が、もりあがったんだよ。

   みんな。いろいろ。思うところが、あるんだよね。おとうさん。

   長く、感じる。一日もあれば。短く感じる、一日もあるけど。

   その人に、与えられた。一日は。かわらないのに、ねえ。

  年をとると。いうことは。一日の。過ぎることの、早いこと。

  『今さっき。朝ごはん、やったのに。ええ。はや、昼ご飯。』てね。

   なんか。一日の、大半は。食べてるって。感じですよ。

  早いもので。きょうは。『二十四節季の雨水』ですよ。

   雪も、溶け出して。雨になるってね。暖かい、はずですよ。おとうさん。

  そうそう。きょうあたり。

   あの、『からし菜』とりに。行って、来ましょうかねえ。おとうさん。

    もう、そろそろ、食べごろですよね。おとうさん。

   「あそこの。河原に、行ったら。『からし菜』が、あるんよ。」

   「車も、通らんし。きれいやから。食べられるんよ。」って。

    友達から、きかされて。ねえ。

   「ほんまやろか。」いうて。行ってみたら。

    からし菜が。いっぱい、あって。

   あれからだよね。

    我が家でも。からし菜を。食べるように、なったのはね。おとうさん。

  たっぷりの、お湯で、茹でて。

   さっと、水を、くぐらせて。シャキシャキ感を、残してね。

   かつお節を、かけた。おひたしも、いいけれど。

  我が家は。やっぱり。『ゴマみそ』ならぬ。

   『イリコみそあえ』だよね。おとうさん。

   イリコを。フライパンで、さっと、あぶってね。

    すり鉢で、ゴリゴリやって。

   『みそ』と。『砂糖』を加えてね。それで、あえるんだよね。

   カルシュウム、いっぱいで。おいしいよねえ。おとうさん。

  おとうさんも。ここ、何年か。

   「クラブの、人で。畑を。やってる、人が。おるんじゃ。」いうて。

   あの。なかよしさん、からも。もらって、来てたよね。からし菜を。

   「ほら。みやげじゃ。」いうてね。

  たまには。それこそ。『白みそ』と、『カラシ

    お酒の、あての。一品ですよ。

   わたしは。『イリコみそ』で。ご飯の、方が。いいですがねえ。

    ねえ。おとうさん。