おとうさん。「オニは、外。福は。うち。」ってね。

   『今年は。オニさんにも。優しくするね。』って、言ってたでしょ。

   そのせいか。いいこと、ありましたよ。

   買い物に、行ったらね。サツマイモ。安く、買えましたよ。

   時期的に。高く。なって、たのに。きょうは、特別だよ。

    大きな、サイズが。安く。なって、いてね。

    それを、見て。なんや。得したような、気になって。  

    わたしの、ことだから。何個も。買って。しまいましたよ。

     やっぱり、帰りは。重たいこと。

    「あたり、まえじゃ。年甲斐もなく。ええかげんに、せい。」って。

    おとうさんの、声が。飛んで、来そうですよ。ねえ、おとうさん。

  帰って、さっそく。ストーブの、上で。焼き芋を。してみたら。おいしいこと。

   そこで。おとうさん。あれを。作ることに。しましたよ。

   『芋餅』をね。つくろうと、思ってね。

   ひとりで。餅つき機、出す訳にも。いかず。

    そんなに、力も、ないしね。

   『芋餅』なら。一人でも。なんとか、作れますからね。

  以前。知り合いの、先生が。遠くに。行かれることに、なった時。 

   なにか、お礼に。持って、行こうと。いうことに、なってねえ。

   みんなで。相談した時にも。

   「芋餅を、作ろう。」と、いうことに。なったよねえ。

  あの、時は。我が家に。餅つき機が。なかった時、だよね。

   子供でも。作れる物。

   なにより。忙しい、方だから。

    散歩も、ままならない、だろうからってね。

  『春を。感じて、もらえる、物。』に、しようって。

   みんなの、相談が。まとまって。

    草餅に、するには。道具も。子供たちの、力も。足りないので。

    もち米の、代わりに。サツマイモを、使う。

     『田舎の、芋餅に。』したんだよね。

   子供たち、二人で。きれいな、場所を、見つけては。

    ヨモギつみを、してくれてね。

    家族、全員で。作ったんだよね。

   ゆでた、ヨモギは。すり鉢で、ゴリゴリしてね。

   出来上がりは。子どもが、作るんだもの。不格好、だったけど。

    その、分。心を、込めて。作ったんだよね。息子たち。

   とっても。喜んで、くれてね。うれし、かったよねえ。ほんと。

  今度は。おとうさんの、ために。わたしが、作るよね。おとうさん。

   ちょっと、遠出して。山際まで、行ってね。

    ヨモギの、新芽を。摘んで来てね。

   サツマイモで。草餅を、作りますよ。おとうさん。

    二人でね。一足早い、春を。

     楽しみませんか。 ねえ。おとうさん。