おとうさん。どうして、なんで。しょうかねえ。

  同じように、植えて。日当たりも。同じなのに。

   息子が、植えていった。ニンニク。二鉢あるんだけどね。

    一鉢は。全部、芽がでたのにね。

   もう一つの、鉢。一つだけ、芽が、出てね。

    あと、出ないんだよね。

   土の、中のことは。人間の、私には。見えないし。分らないんだ、けどね。

  人間も、同じで。

   なかなか 一筋縄では。いかない、ものですね。育てると、言うことは。

  そう言えば。きょうは、鏡開きだよね。おとうさん。

   いつも、だったらね。おとうさん達。飲み会、メンバーは。

    新年会を。するんだよねえ。

   特注の、折りを。注文してね。ワイワイ、やるんだよね。

    それから、善哉。鏡開きの、お餅を、いれてね。

     女性じんの。手作り、善哉だよね。

   いつだったか。

   「うまいから。お前の分。もらって、やったぞ。」って。

   一度だけ。もらって、きてくれたこと。あったよねえ。おとうさん。

  息子達は。道場でね。

   お母さん達の。炊き出し、善哉の、日でも。あったんだよね。

   お稽古の、後。みんなで、食べたんだよね。善哉を。

   我が家も。大きな、ホットプレートを。持って、行ってね。

    善哉に、入れる。お餅、焼くの。がんばったものね。

  今は。どうか、分らないん。だけどね。

   私や、おとうさんの。子供の、時は。田舎、だったら。

  この日に。とんど焼きも。兼ねたん、だよね。

   書き初めと、いっしょにね。お餅を、焼くんだよね。

   書き初めの、紙が。焼けて。空高く、舞い上がるとね。

  「わしの、ほうが。高く、あがったで。」

  「わたしの、ほうや。」いうてね。

   競い、あったんだよね。

  だってね。燃えた、紙が。高く、舞い上がれば、あがるほど。

   学校の、成績は。上がるって。

   田舎では。教えられて。いたんだ、ものね。おとうさん。

  そして。その火で、焼いた。餅を、食べれば。

   風邪を、ひかない。いうてね。 

  たき火の、中で。焦げた、餅を。

   ありがたく。いただいたん、だよね。

   田舎では。鏡開きの、日に。善哉の、習慣は。なかったんだ、ものね。

  そうそう。せっかく、ここに。ストーブが、あるのにね。

   アズキを。煮ましょうかねえ。おとうさん。

   お餅も、あるこどだしね。

   二人で。美味しい、善哉を、たべませんか。

   ストーブで、ゆっくりと煮た。善哉は。特別ですよ。おとうさん。

    二人で、仲良く。 食べましょうよ。

     ねえ。おとうさん。