おとうさん。おはよう。

  おとうさん。ことしは。クリスマスの、飾りつけ。どうしましょうか。

   おとうさんが、子ども達の為に。買ってあげた。ツリーですよ。

   いつも。玄関さきに。飾っていた、やつですよ。

  初詣は。もちろん、パスなんですがねえ。さて、どうしましょうか、ねえ。

  一人ですから。うちに、ある。

   かわいい、ローソクを。立て。

   例の。天使の像を、飾って。慎ましく、クリスマス。それも、いいですね。

  ローソクは、もちろん。あの時に、もらった。

   あの、ローソクですよ。おとうさん。

  「おとうさん。結婚式の、お祝いにって。」

  「ええのに。」

  「きょうは。いままでの、お礼にと。これからも、よろしく。」

  「そう、思うて。食事会、したんやで。」

  「分かって、いるよ。あの方は。」

  「そやけど。嬉しかったんだよ。やっと。肩の荷が、おろせたって。」

  「だってねえ。」

  「こんな。わがまま娘を。ありがとう。って。いってたもの。」

  そう言ってね。かわいい包みを、開けたら。

   一本の。大きな、ロウソクが。入って、いたんだよね。

    虹色の、太い。大きな、ローソクだよね。

   そして。メッセージカードが。入って、いたんだよね。

   「これから先。二人に、何かあって。心が、冷たくなる時は。」

   「この、ローソクに。火を。灯して、ください。」って。

   メッセージカードには。書いて、あったんだよね。

  あれから。ずっと。あの、ローソクには。火を灯すこと、なかったものね。

  どんな、時も。二人で。力を、あわせてね。やって、きたからね。

   いつだったか。

   「こんな、じゃじゃ馬を。よくぞ、ここまでに。」って。

   おとうさん。あの方に。言わせたん、ですものね。

  今年は。あの、ローソクに。火を、灯しますよね。おとうさん。

   それから。忘れては、いけない。もう、一本。

   息子たちと、作った。お手製、ローソクですよ。

  「おとうさん。この、クレヨン。古くて、つかえないよ。」

  「そやけど。もったいない、なあ。」

  「ほなら。あれ、作ったら、ええは。」言うてね。

   折れた、ローソクを。集めてきて、くれたんだよね。おとうさん。

  「もう、いらんわ。いう、鍋。あれを、つかえ。」

   言われてね。

  息子たちと、一緒に。ロウを溶かし。クレヨンを、その中に、落として。

   玉子の、殻に。流し込んで。

    緑がかった。青い、ローソクを。作ったんだよね。

    タマゴの、形をした。かわいい、ローソクをね。

   あの、ローソクも。飾った、まんまだよ。おとうさん。

   あれにも。火を、つけましょうかね。おとうさん。

  虹色の、ローソクと。青い、タマゴの、ローソク。

   『なんとかの、青い鳥じゃあ、ないけれど。』

   幸せは、ここに、ありますよ。ってね。

    ちゃんと。ここに、幸せがね。

     ねえ。おとうさん。